日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

★Asociación de Pádel Argentino Monitor de Pádel
★日本パデル協会公認C級パデルコーチ
★2017全日本パデル選手権優勝
★2018World Padel Championships男子日本代表キャプテン
★2018World Padel Championships女子日本代表コーチ

パデル ダブルス ラケット ボール


以前この記事の中でテニス以上に必要なパデルの技術について書いた。

今回は「技術」というよりも「感覚」について考えてみる。(感覚も技術なのだが、分けたほうがわかりやすいだろうと思ったので)

一般的に、「技術」というと獲得出来るもの、「感覚」というと生来持っているものというイメージがある。

書道に置き換えると綺麗な字を書くには「技術」が必要だが、書を芸術にまで高めるには、その人が元々持っている「感覚」みたいなものが必要ということ。(間違っていたらごめんなさい)

もっと平たく言うなら、「センス」と呼ばれるものがあるかないか。

ここでちょっと考えて欲しいのは、自分はどんな人のことを「センスがある」と思い、どんな人のことを「センスがない」と思っているか。

もしくは自分自身のことをセンスがあると思っているか否か。

多くの人は「センス」と「才能」を同義語で捉えているが、指導のプロは一緒くたにはしない。

「センス(感覚)」は学べる(後天的に獲得出来る)が、才能は持って生まれたもの(先天的に獲得しているもの)で学べない、というのが多くのプロの指導者に共通している認識だ。

多くの人は、

「あの人センスあるから勝てないよ」
「私はセンスないから無理だよ」

こんなふうにふわっとセンス(感覚)のことを捉えていて、「なんだか掴みようのないもの」として自分の中で消化してしまっている。

だからそこから先になかなか進まない。

だがよく分かっている指導者であれば才能とセンスは分けて捉えているため、「あのセンスなら努力すれば獲得出来るよ」となる。

「教えてもいないのに上手に出来る」
「誰も真似が出来ないほど独創的(上手に)なプレーをする」

こういったプレーヤーのことを「才能がある選手」と呼ぶ。

ちなみにイチローは自分のことを、「僕は天才ではない」と言っている。

「小さい頃からコツコツと自分なりに考えてやってきたことを積み上げた結果であって、突如降って湧いたように出来たわけではないから」と言っている。

また、天才というのは自分がした天才的なプレーを説明出来ないことが多い。(長嶋さんが好例である)

だがイチローは、「自分がなぜヒットを打てるか、なぜホームランが打てるかすべて説明が出来る」とも言っている。

だから天才ではないと言いたいのだと思うが、百歩譲ってイチローの言葉を額面通り受け取ったとしても、それでも「努力し続ける才能」というのは持っているように思う。

話が逸れたが、パデルで必要な感覚とは何か。

私が思うに、

グレイディング(筋力発揮調整力)
ハンドアイコーディネーション(目と手の協調性) 

この二つの感覚はパデルでは特に必要とされる感覚である。

テニスよりも反応時間が短い中でプレーすることが多く、またテニスよりもイレギュラーな状況の中で返球しなければいけない場面が多いからだ。

この二つはテニスでもよく言われる「タッチ」とも関係している。

「あの人のボレーはタッチがいい」などと言うときに使うあのタッチだ。

これも「学ぶものではなく持って生まれたもの」と捉えている人が多いが、それは間違いである。

タッチは十分学べるものである。

ただストロークやボレーのような技術を覚えるのと同様、タッチも地味な反復練習が必要である。(と同時に遊びのような練習の中から“良い感覚”を覚えるというのも往々にしてある)

こう考えていくと、パデルの場合オンコートでの練習以外にSAQトレーニングやコーディネーショントレーニングといったトレーニングに時間を割く必要性が出てくるような気がする。

もちろんテニスでも行われているが、パデルの場合はテニスよりより一層試合の勝敗に直結してくるのではないか。

テニスで培った遺産(感覚)のみでパデルをプレーするのではなく、パデル特有の感覚を獲得しようとする人が一人でも増えることを望む。

パデル ラケット コート ダブルス ボール


パデルとテニスは似て非なるもの、そして技術に関しても打つ頻度と掘り下げていく(細分化していく)方向が違うと「頻度の違いと細分化の方向の違い」で書いた。

では実際に「テニスにもあるがパデルのほうがより細かく、またより精度が求められる技術」とは具体的にはどんなものがあるのか。

まずはバンデッハ、ビボラ、スマッシュ等の「上のショット」と呼ばれる技術。

グリップチェンジ、面の感覚、スイングの感覚、身体の向きやそれに伴う打点のアレンジ(高低・前後・左右)、回転量の調節、グレイディングetc…といったものの感覚や精度がテニス以上に求められる。

次にアンダースピン(スライス)をかける技術。

これも上のショットと同様のものが求められるし、パデルではさらにサイドスピンの感覚もテニス以上に求められる。

そして一番打つ頻度が高いであろうボレー。

ミドルボレー、ローボレー、ハイボレー、身体の正面でのボレー、身体から遠い位置で打つボレー、ブロックボレー、パンチボレー、プッシュボレー、フラットボレー、スライスボレー、トップスピンボレー、スイングボレー、ドロップボレー、アングルボレー、ロブボレー、カットボレー、ハーフボレーetc…こういったテニスでも使われているボレーの技術はパデルでは必須である。

テニスではボレー(ネットプレー)をしなくてもプレーは出来るし、うまくやれば勝つことも出来る。

また一種類のボレーだけ打てれば(未だにテニスプレーヤーの多くは“ボレー=スライス”と思っているプレーヤーが多い)戦えることもある。

だがパデルではそうはいかない。

テニスよりも相手との距離が近いシチュエーションでプレーすることが多く、またテニスよりも相手からの返球のバリエーションが豊富だからだ。

テニスのダブルスではあまり起こらない「4人全員がネット前にいる」という状態も、パデルでは頻繁に起こる。

簡単にまとめると、「ネットプレーの精度を高めると同時に、バリエーションも増やしていく」必要がある。

こう考えると、テニスにおいてネットプレー主体のプレースタイルだった人は、そうでない人に比べてパデルを始めるにあたってアドバンテージがあると言える。

テニスで前に出てもパッシングで抜かれまくって嫌気が指している人、是非パデルでお待ちしております。
 

パデル テニス スカッシュ

テニスとパデルの技術は同じ(ように見える)ものが多いが、やればやるほど、知れば知るほど「似て非なるもの」という印象が強くなってきた。

グラウンドストローク
ボレー 
スマッシュ
サーブ

かなり大雑把に分けると、テニスはこの4種類の技術で成り立っている。

これはパデルも同様である。

では何が違うのか。

これまた大雑把に分けると、「使用する頻度」と「より細分化される技術と方向」が違う。

グラウンドストロークを例にとると、テニスでは順回転(トップスピン)をかけてボールを打つことが多く、フラットや逆回転(アンダースピン)をかけてボールを打つことは順回転ほどには多くない。

一方パデルはアンダースピン(やフラット)をかけてボールを打つことが多く、トップスピンをかけて打つことはほとんどない。

これが「使用する頻度」の違いである。

では「より細分化される技術と方向の違い」とは何か。

テニスにもパデルにもスマッシュに代表されるような「上のショット」がある。

テニスで「上のショット」と言うとスマッシュぐらいしかないが、パデルは5種類ほどある。

テニスも苦しい状況でのスマッシュや、グラウンドスマッシュなども入れると数種類になるが、実際に試合中に使う頻度は少なく、また技術としてそこまで掘り下げられてはいない。

一方パデルは頻度も多く、グリップ・打点・スイング方向・面の作り方・目的などがそれぞれの技術で異なっている。

分かっていただけただろうか。

逆にサーブのようにテニスのほうがより細分化されているものもあるし、グラウンドストロークで言えばテニスはグリップ・片手or両手・球種などがパデルより細分化されているが、パデルの場合はテニスにはない壁を使った技術が複数ある。

他にも使用する頻度の違いということであれば、パデルはネットプレーが多く、テニスではストローク戦が多い。

フットサルをよく知らない人からしたら、フットサルはサッカーと一緒。

ソフトボールをよく知らない人からしたら、ソフトボールは野球と一緒。

パデルをよく知らない人からしたら、パデルはテニスと一緒。

言いたいのは上とか下とかでなく、パデルとテニスは「似て非なるもの」なんだよということ。

テニスが上手けりゃパデルも上手いというわけじゃないんだよ。(逆もまた然り)

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