日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

★Asociación de Pádel Argentino Monitor de Pádel
★日本パデル協会公認C級パデルコーチ
★2017全日本パデル選手権優勝
★2018World Padel Championships男子日本代表キャプテン
★2018World Padel Championships女子日本代表コーチ

パデル コート ラケット ボール テニス スカッシュ

パデルでボールを打つ際、「(テニスで言うところの)コンチネンタルグリップで握りすべてのショットを打ちます」という説明が多い。

これはきっと、「パデルはテニスより簡単なスポーツ」というアピールの流れも汲んでいるのだろう。

テニスはショットによっては握り変える必要があるため、技術的に覚えなければいけない握り方が いくつもある。

また、自分の目指すテニスの方向性や、戦略・戦術的な理由でグリップを選択したり出来るため、こうした「任意」の握り方と、技術的に必須の「(半)強制」的な意味合いの強い握り方を含めると、1人のプレーヤーに対するグリップの選択肢がテニスはとても多い。

現代(といってももうだいぶ前からだが)のテニスは昔のテニスのように、もしくはソフトテニスのようにワングリップですべてのショットをこなすというのはほぼ不可能になってきている。

こう考えるとパデルは確かにテニスよりはグリップの選択肢が少ない。

だからパデルが「テニスより簡単」というのも間違いではない。

間違いではないが正しくもない。

なぜならパデルもグリップチェンジを行うスポーツだからだ。

テニスはコンチネンタルグリップ、イースタングリップ、セミウエスタングリップ、ウエスタングリップ、フルウエスタングリップetc・・本当に様々なグリップがある。

テニスほど幅広くはないが、パデルも状況に応じてだったり、戦術的な意味を考えフォアハンドセミウエスタングリップ〜バックハンドセミウエスタングリップぐらいまでの間でグリップを(無意識的に)変えながらプレーする。

言い換えると、コンチネンタルグリップでは不都合なシチュエーションがあったり、コンチネンタルグリップで打ってしまうと効果が薄くなってしまうシチュエーションがあるということ。

パデル愛好家であればもちろんそこまで考えてプレーする必要はないが、一端のパデルプレーヤーになろうと思ったらグリップチェンジしてプレー出来なければいけない。

いけないというよりは、そうでないと上には行けない。

テニスで戦略・戦術を考える際、「相手のグリップはどんなグリップか」を出発点として考えるのだが、この点においてはパデルもまったく一緒である。

パデルにおいて上を目指そうと思っている人は、くれぐれも「パデルはグリップチェンジしないくていい」という言葉を鵜呑みにしないようにして欲しい。

もし私がパデルのグリップについて聞かれたら、

「テニスほどにはグリップチェンジの頻度も幅もありませんが、多少はグリップチェンジが必要です」

と説明します。

パデル コート ラケット ボール ダブルス

以前「パデルは本当に簡単なスポーツか」という記事の中で、パデルにおける「ボールの回転」について述べた。

パデルは壁の部分はスカッシュに似ており、ネットがあるという点ではテニスに似ている。

「スカッシュとテニスを足して2で割ったスポーツ」と言われるパデルは、果たしてスカッシュ(アンダースピン)とテニス(トップスピン)どちらに近いのか。

かなりざっくり言うと、スカッシュの基本的な戦略は「いかに早く2バウンドさせるか」である。

そのため「壁があってネットがない」スカッシュでは、「速くて低い」ショットが理想である。

テニスはどうか。

かなりざっくり言うと、テニスの基本的な戦略は「いかに相手コートに返すか」である。

そのため、「ネットがあって壁がない」テニスでは、「速くて高い」ショットが理想である。

パデルはどちら(の球種)に近いのか。

正解はスカッシュである。

スカッシュでは壁を無視してプレーすることは出来ず、テニスではネットを無視してプレーすることは出来ない。

言い換えるなら、スカッシュでは「壁が自分に有利に働くような回転」をかけ、テニスでは「ネットが自分に有利に働くような回転」をかけるということ。

もうお分かりだろう。

パデルの一番の難しさは、

「ネットを越すためには高く打ちたいのに、壁のことを考えると低く打ちたい」

これを両立させなければいけない点にある。

相手コートにバウンドしたあとのボールの影響、相手コートの壁に当たったあとのボールの影響なども考えなければいけない。

こういったことを考えると「誰でも簡単にすぐ上手くなる」、とはおいそれと言えない。

本当はテニスと同様、「楽しいが難しいスポーツ」と伝えるほうが、長い目で見た場合パデルの発展のためになると思っている。


※スカッシュもテニスも当然一種類の回転のみでプレーするわけではなく、戦術的な要素や状況によって様々な回転を使う。

もちろんパデルも同様であるが、話を簡略化したかったので今回このように表現した。

「そんな単純な話ではない!」というツッコミが聞こえてきそうだが、こういったことにすら気づいていない人が多数いるので、そういった人達に考えてもらうきっかけを作りたかったというのが本当の狙いである。悪しからず。

パデル ラケット コート ボール


スポーツを競技として取り組む際、練習の質と量どちらを重視したほうがいいのかという論争がよく巻き起こる。

これはスポーツに限らず仕事でも料理でも何かを学ぶ際は同じことが言えるように思う。

最初のうちは間違いなく「量」が大事である。

パデルは日本に上陸してまだ3年。

過去にスペインに暮らしていてパデル歴はもう何年もあるという方は別だが、日本で現在パデルをしているほとんどの人はまだまだ「量」が必要な時期である。

いわゆる「身体に覚えさせる」ということが必要な時期なのであるが、この時期でも多少の質は必要である。(練習における質についてはまたいつか書きたい)

「最初のうちは量だよ、量。そんな最初っから考えてばっかいたって上手くなるわけないじゃん、練習練習。」

これからスポーツを始める人に一般の素人がこう言うのはまだ分かるが、ときどき指導者がこういったセリフを吐く場面に遭遇するときがあり、とても驚いてしまう。

こう言われてしまった人は文字通り「頭の中が空っぽ」の状態で練習に練習を重ねてしまう危険性がある。

もちろんある程度まではこれでも上達するが(といっても本当にある程度までだが)、すぐに頭打ちになってしまう。

ただこれでも着実に上達が見込める人もいる。

それは「見て盗む」ことが出来るタイプの人。

こういった人たちは自分のしていることが言葉に出来なくともなんとなくコツを掴んでおり、頭の中が空っぽではないからだ。

ただ残念なことにこういった人は少数派である。

仕事では上司や周りの人のやり方を見つつうまくコツを掴んでいくような人でも、いざコートに立つとそういった思考が抜け落ち、「ただ気持ち良くプレーしてしまう」人が圧倒的だ。

また今の時代、プロツアーの試合などといった「見て盗める」対象のものは山ほどあるが、これは仕事に例えるなら「新入社員が社長の立ち居振る舞いを真似る」ようなもので、現実と理想のギャップがあり過ぎる。

その新入社員の上司からしたら、「100万年早いわ」という気持ちでしょう。

新入社員であれば自分と社長の間にあるギャップを、「上司」という「質」を与えてくれる存在を使って埋めていきます。

パデルをプレーする一般の方であれば、自分とプロパデルプレーヤーとの間にあるギャップを、「指導者」という「質」を与えてくれる存在を使って埋めていく。

まとめると、まずはパデルをする量を増やし、壁にぶつかってきたなと感じたら指導者に指導を仰ぎ、その指導を元にまた量を増やしていく。

これを着実に行なっていけば、その他大勢のパデルをプレーする人の群衆の中から頭一つ抜け出すことが出来ます。

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