image


パデルの試合に出場したことがある方、あるいは競技としてパデルに取り組んでいる方はすでに感じているかと思いますが、パデルでは(特に初歩の段階では)「一人狙い」という戦略が使いやすく、また効果的です。

ごくごく大雑把な戦略として、まず考えるのは相手のデュースサイドとアドバンテージサイド、どちらのプレーヤーにボールを集めたほうがポイントが取りやすいのか。

これは二択です。

ここで明らかにポイントが取りやすいサイドがあればこの時点で戦略決定です。

とても簡単です。

次に相手プレーヤーを「壁を使った技術」と「上(レマテやバンデッハ)の技術」に分けて評価します。

こうすると四択です。

デュースサイドのプレーヤーの壁際にボールを集めたほうがいいのか、頭上に集めたほうがいいのか。

もしくはアドバンテージサイドのプレーヤーの壁際にボールを集めたほうがいいのか、頭上に集めたほうがいいのか。

ここでも四カ所のうちどこかに穴があれば戦略決定です。

これでもまだだいぶ簡単です。

このいずれかに当てはまるとなると、基本的にはそこを狙うということ以外に細かいことは考えずに済みます。

プレーする上で「考えながらプレーしなくていい」ということほど楽なものはありません。

○○を狙っておけばポイントが取れる
○○を狙っておけば試合に勝てる

この状態はストレスフリーでのびのびプレーが出来ます。

逆に相手が、

どこを狙ったらポイントが取れるか分からない
どこを狙ってもポイントが取られそうな気がする

こう思うように自分(たち)のプレーを作り上げられたら最高です。

相手はプレー中常に判断を迫られることになり、ストレスが常にかかった状態でプレーすることになります。

昭和世代であれば覚えている方も多いかと思いますが、ロス五輪で柔道のモハメド・ラシュワンが決勝で山下泰裕の負傷していた右足を狙わず試合をした、というスポーツマンシップのお手本のような美談がありますが、残念ながらそのような選手はパデルコートにはいません。

テニスコートではどうでしょうか。

昔(といっても100年近く前になりますが)ウィンブルドン決勝でプレー中に転倒した相手のチルデンに、清水善造が「やわらかなボール」を相手コートに返球しその結果ポイントを失い、結果的にはあと1ポイント取れば勝利のところまでいって負けたのですが「相手の弱みに漬け込まない立派な選手」として賞賛され、これもスポーツマンシップのお手本として教科書にも載ったという話があります。

これらの逸話を聞くと「弱いところを狙うなんてけしからん」となりそうですが、現実にはそんなことはなく、山下泰裕氏は後日談として、

「ラシュワンがケガした私の右足を気遣って、全く右の技をかけなかったというのは事実ではない。ラシュワンは最初の攻撃で右足を狙ったが、私が普段と逆の左足を軸にして返しに行き、そのまま抑え込みに入って一本勝ちとなったのである。それにそもそもケガしたところを狙うのは立派な戦略である」

と語っていますし、清水善造氏も、

「チルデンが転んだとき私はチャンスと思った。ただその時にチルデンが倒れた右側に打ち返そうか、それとも左側に打ち返そうかの判断を一瞬迷った。迷いながら打ち返したら打ち損ねてチルデンが打ち返しやすい打球になってしまった」

と語っています。

やはり勝負の世界では当然のことながら相手は、「弱い」「ポイントが取れる」と思ったところを容赦なく攻めてきます。

これはパデルでも同様です。

ですので、どのレベルにおいてもまずは「ここにボールが来て欲しくない」という「弱点」を作らないことです。

言い換えれば「オールラウンド」なプレーが出来るよう自分を作り上げていくことが求められます。


返せるところと返せないところがある

どこにボールが来てもなんとか相手コートに返すことは出来る

どこにボールが来てもある程度なら狙って返すことが出来る

どこにボールが来てもしっかり狙って返すことが出来る

どこにボールが来ても速いボールでしっかり狙って打つことが出来る


あなたは今どの段階ですか。

いきなり最終段階から始めてないですか。


¡Animo!