パデル padel

スポーツ指導の用語の中に「学習の転移」という言葉がある。

これはあるスポーツに熟達している選手が新たなスキルや他のスポーツなどを学ぶ際、その選手がすでに習得しているスキルや動作を関連させて説明すると、そうでない選手や関連付けて説明しなかった場合に比べて上達の速度が早いというものである。

これはスキル以外にもその選手が過去に学んだ戦術や運動力学原理にも起こる。

簡単に言うと、テニスやスカッシュをやっていた人はそうでない人に比べてパデルにおいて飲み込みが早いということである。

仮に過去にやっていたスポーツがバレーボールやサッカーだったとしても、例えば「スパイクとスマッシュは似てるなぁ」とか、「プレーしながら空いているスペースを見るのはサッカーと似てるなぁ」といったように、今までに習ってきたものの中で何かしらパデルと関連付けて理解出来る。(ただこれはどの選手でもこう理解しているわけではなく、その場合は指導者が関連付けて考えられるよう手助けをする必要がある)

要は何かのスポーツに熟達していると、他のスポーツをやる際にもアドバンテージがあるということである。

しかしこれにはデメリットもあり、特定のスキルに熟達し過ぎると今度はそれが無意識に出てしまうため、それを矯正したり新たなスキルをマスターするのが困難になる。

そういえば昔読んだ室伏広治さんの父、室伏重信さんの著書の中に、

「現在のフォームでは記録を伸ばすのはもう限界で、これ以上の記録を望むなら抜本的なフォーム改革が必要と判断し、現在のフォームが身体から消えるまで4か月まったくハンマーを握らなかった」

という記述があるのですが、記録が出ていない状態ならまだしも、その時点でトップにいる選手がこんなことをするんだ!と当時はびっくりしたのと感動したのを覚えています。

現役選手にとって練習を休むことがどれだけ怖いことか。

全然レベルは違いますが、私もパデルをやると決めたときパデルラケットの重さと長さに早く慣れたかったので、一年間はまったくテニスラケットは握りませんでした。

それぐらいデメリットもあるということです。

テニスを長年やっていた人がパデルをプレーすることはメリットも多いがデメリットもある。

テニス以外のスポーツをしていた現パデルプレーヤーにもある。

パデルを始めるまでスポーツは何もしてこなかったという人にはデメリットしかなさそうだが、「何のクセも身体に染みついていない」というメリットがある。

自分と他人の過去のスポーツ歴は変えられないのだから、今現在の自分がどこまで伸びるかを軸に考えれば楽しみしかない。

Animo!



勇気が欲しい方は読んでみてください。

カッコよ過ぎて鳥肌立ちます。

その瞬間にかける
室伏重信
原生林
1988