日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

2016年05月

パデル テニス スカッシュ 違い 強くなるためには


カウンター。

サッカーでのカウンター攻撃、ボクシングでのカウンターパンチ。

テニスだとジョコビッチやナダルの驚異的な切り返し。

こういったカウンターと呼ばれるプレーやショットは多くの観客を湧かすし、また自分でそういったプレーをするのもとても気持ちが良いものである。 

パデルにももちろんカウンターはある。

しかもパデルの場合「最後の最後のどんでん返し」が比較的多いため、見ている観客も楽しく、またプレーしている選手達も最後まで諦めないでプレー出来る。

反面、カウンターが多いということはそれだけ「安易に攻めてはいけない」ということでもあり、プレー中に「我慢」する必要が出てくる。

言い方を変えれば、「やられないように気をつけながら」攻めなければいけない。

逆にカウンターが少ない競技や種目であれば「とにかく攻める」ことが出来る。

当たり前だがカウンターを警戒しないでいいからだ。

カウンターがないのだから「やられる」ときのことを考える必要はなく攻めまくればいいのであって、万が一カウンターを食らったとしても「たまたまだ」と割り切れる。

ではどれぐらいパデルでは我慢すればいいのか。

似ていると呼ばれるテニスやスカッシュと比べると私の中では、

シングルス(テニス)
パデル
スカッシュ
ダブルス(テニス)

の順番で我慢が必要だと思っている。

2対2でネットを挟んでプレーするわけだから、テニスのダブルスと同じなのではないかと感じる方も多いと思うが大きな間違いである。

テニスにおいてダブルスというのは「攻撃的なゲーム」あり、一方シングルスは「守備的なゲーム」である。

シングルスでは守備的なプレーをするチャンピオンが多数生まれているのに対し、ダブルスのチャンピオンのほぼ100%が攻撃的なプレーをする選手である。(道具の進化により今後守備的なプレースタイルのダブルスチャンピオンが生まれる可能性はある)

シングルスではカウンターショットを見る場面は少なくないが、ダブルスではほぼ皆無であり、ほぼ最初に主導権を握ったペアがポイントを取る。

だからダブルスではラリー回数が短い。

一方シングルスではカウンターを食らわないよう、攻める場面や攻め方を慎重に選んで攻撃をするためダブルスに比べるとラリー回数は多くなる。
 (なぜ多いか(少ないか)を説明すると今回のタイトルから離れてしまうので省略します)

パデルはどうか。

パデルとテニスのダブルスの一番の違いはやはり「壁」である。

では壁があるのとないのとでは何が違うのか。

壁がないテニスであれば、相手をコートの横(や後ろ)に自分の意図した分だけ追い出すことが出来る。(コントロール出来ればの話だが)
 
そしてそのショットは(可能なら)速ければ速いほど良く、強ければ強いほど良い。

 またそのショットは相手から遠ければ遠いほど良いし、またロブで相手の頭上を抜いたり、速いボールで相手の横を抜いたり出来ればテニスの場合ほぼ得点出来る。
 
テニスでは自分の頭の上や体の横を通り過ぎていったボールに追いつき返球することはほぼ不可能だからだ。

一方パデルの場合は相手の上や横を抜いても壁から跳ね返ってくるので、中途半端に強く(速く)打つと相手の横を通り過ぎるまでは「強くて良いショット」だったのが、壁に当たって跳ね返ってくると今度は相手にとって「良いショット」になってしまう。

だからパデルの場合もテニスのシングルス同様、「慎重に攻めなければいけない」のだ。

こういったことを考えるとパデルは、

「打つショットや動きはダブルスに近いが、戦略的な要素や心構えはシングルスに近い」
 
と言える。

こういった要素も持っているからこそパデルは楽しいのだ。

 

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スカッシュ同様パデルにも壁があるため、スカッシュで使われる「壁を利用した戦術」はパデルでも参考に出来る点が多々ある。

ただし同じ壁を利用して行なうパデルとスカッシュでも決定的に違うルールがいくつかある。

まず一番大きな違いは、

「スカッシュはフロントウォールにボールが当たった後、(そのボールがアウトしていなければ)直接サイドウォールやバックウォールに当たってもOK」

で、

「パデルは自分が打ったボールがネットを超えた後、必ず最初に相手コート(地面)に弾まなければならない」

この違いが何を意味するかというと、スカッシュの場合「相手にTポジションから遠い場所でボールを打たせる」「スイングしにくくさせる」「相手の打つコースを読みやすくする」といった目的でサイドウォール際やバックウォール際にボールを集める。

また、床とサイドウォールの境目の部分にボールが当たるとまったく弾まなかったり、弾んでもかなり低く弾むため、ニックショットやキルショットと呼ばれるショットを意図的にそこ目がけて打つスカッシュプレーヤーは多い。

こう考えていくとスカッシュの場合、守備でも攻撃でも積極的に壁を利用していくことが必須となる。

ただこれは自分の打ったボールが最初に壁に当たってもOKというルールだからで、このスカッシュと同じような戦術をパデルで用いた場合、「ハイリスク・ローリターン」過ぎる戦術となる。

例えば横の壁ギリギリに沿って飛んでくるボールというのは、スカッシュもパデルも同様に打ちにくい。

ただパデルの場合は少しでも横の壁にボールが触れたらアウトとなる。

そうなるとスカッシュで横の壁に沿って打つときよりも数倍難しい。

そのためスカッシュでは「ローリスク・ハイリターン」でとても有効な、壁に沿ったストレートショットがパデルではほとんど使われない。

パデルで言うこの「ローリスク・ハイリターン」のようなショットはおそらくロブであろう。

これはスカッシュもパデルも同様だが、「守備することで攻撃にもなっている」もしくは、「守っていたらポイントにつながった」というようなショット(や戦術)というのは、上達しようと思っているのであれば必須のショットである。(このことはテニスも同様で、テニスで言うと「クロスラリー」がそれにあたる)

さて、もう一つのサイドウォールと地面の境目を狙ったニックショットはどうか。

スカッシュの場合も失敗すると相手にチャンスを与えかねないため、試合の中で使われる頻度はそう多くはない。

だが、スカッシュのルールではこのニックショットはうまくいけばポイントが取れるし、うまくいかなくてもある程度は有効なショットになる。

一方パデルでは仮にうまくいったとしても、スカッシュボールに比べパデルボールのほうが反発力があるため壁からボールが出てきてしまうし、もし手元が狂って打ったボールが直接横の壁に当たった場合アウトとなり失点してしまう。

そのため先ほどと同様、このショットもパデルでは「ハイリスク・ローリターン」となってしまう。

もう一つ壁があるスカッシュならではのショットに「ボースト」というものがあるが、これもパデルではルール上OKではあるがほとんど効果がない。

このボーストというのはスカッシュでは基本的には守備のショットではあるが、攻撃にも使うことが出来る。

攻守両面で使えるためスカッシュではこれも必須のショットだが、簡単に言うとサイドウォールを利用してフロントウォールに返すショットのことである。

自分の時間を稼げたり、相手の逆を突いたり、相手をTポジションから動かせたりするので、スカッシュではよく使われる。

ではパデルではどうか。

もしかするとこれは知らない方もいるかもしれないが、パデルの横の壁はすべてガラスで出来ているわけではなく、ネットから2/3ぐらいの部分までは金網で出来ていて残り1/3がガラスで出来ているのだが、パデルで横の壁を使って相手コートに打つ場合このガラスの部分しか使えない。

そうすると大抵の場合相手コートのネット近くにボールが飛んでいくことが多く、いわゆるチャンスボールになりやすい。

そしてパデルは基本的に「ネットを取り合うゲーム」と言えるので、やむを得ない場合を除いて横の壁を利用して返すということはパデルではほとんどない。

以上のことがスカッシュから転向する場合は注意が必要である。


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 ラケットと技術の関係性③の続きです。

ボールの「回転」と「インパクト(の時間)」について考えます。

大ざっぱに二つに分けてみます。

「ボールの回転がプレーに影響するかしないか」
「インパクト時のラケット面への接地時間が長いか短いか」

ボールの回転がプレーに影響するのはパデル・テニス・卓球、しないのはバドミントン・スカッシュ。

インパクト時のラケット面への接地時間が長いのはスカッシュ・バドミントン、短いのはパデル・テニス・卓球。

(この感覚は完全に私の主観やイメージです。ストリング、テンション、ラバー素材、ラケット素材等も関わりがありますが、複雑過ぎるので省きます。また、スカッシュでもかなりハイレベルになるとボールの回転は勝敗に影響するようですが、少なくともテニスや卓球ほどではないというのが私の印象です)

さて、ボールに回転をかけるには(大きな)スイングが必要で、そしてインパクト時の面の作り方も複雑になります。(無回転(フラット)はスイングしなくても可能ですし、面の作り方も単純です)

となるとボールのスピードが遅く、またインパクト時にラケット面とボールが長く接地している(ように感じられる)ほうが簡単に回転がかけやすく、コントロールもしやすい。

逆にボールのスピードが速く、接地時間が短いと回転がかけにくく、コントロールもしにくい。

ボールのスピードということで言えば、バドミントンもスカッシュも初速はかなり速いものの、自分が打つ段階ではかなりボールのスピードは落ちる。

だから本来であればスカッシュやバドミントンのほうが回転をかけやすくコントロールしやすいが、技術(戦術)的にあまり求められていない。

一方パデルやテニスや卓球は、ボールのスピードも速いうえに接地時間が短いため、回転もかけづらくコントロールもしにくいが、技術(戦術)的に必要。

何が言いたいかというと、パデル・テニス・卓球のほうが、スイングとラケット面の扱いに関して、より「繊細さ」と「再現性」が求められるということです。

この二つと「スピード」は両立させるのが難しい。

車の運転や自転車に乗っているときのことを想像すればよく分かると思います。


4回に分けて考えてきましたが、まとめると、

「速く振りたいけど安定させたい」

のがパデル・テニス・卓球。

「安定させたいけど速く振りたい」

のがスカッシュ・バドミントン。

そして「安定」させるためのキーワードが「肩」で、「速く」するのが「手首」。

そしてパデルラケットはテニスラケット以上に重たい。

ということはテニスラケットより速く振ることが難しい。

ということはテニス以上に「肩」が大事。

というのが(現在の時点での)私の結論です。


本当はもう一つ回転に関する戦術からもこう思った理由があるので、それはまた⑤に書きます 笑


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