日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

2017年05月

パデル コート 東京 スクール コーチ


パデルではいよいよBarcelona Masterが始まります。

テニスのほうは4大大会の一つ、Roland Garrosが始まります。

Roland Garrosはご存知の通りクレーコートで開催される唯一のグランドスラムで、クレーコートならではの戦術や長いラリーなどが随所に見られます。

クレーコートでよく使われる戦術の一つに「ドロップショット」を絡めた戦術があります。

テニスをしてい(る)た人なら言わずもがなですが、ドロップショットは試合においてそう多用するショットではありません。

もちろん自分が得意であったり、相手のタイプによっては打つ回数が多少は増えるかもしれませんが、それでもグラウンドストロークを打つ回数をドロップショットが上回ることはまずありません。

そしてメリットデメリットに関してですが、上手く打てればそのままポイントが取れることもあるが、打ち損じるとたちまち相手のチャンスボールになり、また仮に上手に打てたとしても相手のポジションや予測が良かったりすると、これまた相手にとってチャンスになる可能性が高い。

さらに言えば上手に打つこと自体がやや難しい。

あれ?

これってパデルにおける「スマッシュ」と似てませんか。

私は以前からパデルのスマッシュはテニスのドロップショットと性質が似ていると思っています。

もちろん効果は認めるが多用するショットではない。

もちろん打てたほうが良いが勝つためには(ある程度までは)必須のショットでもない。

競技としてテニスに取り組んでい(る)た選手であれば、当然ドロップショットの練習はしたかと思いますが、フォアやバック、ボレーやサーブなどのショットと比べて練習量はどれぐらいでしたか。

おそらく1時間練習する時間があったら長くて10分、特に目的がなければ5分以下、もしくはその日はドロップショットの練習をしないという日も少なくないと思います。

パデル コート 東京 スクール コーチ


さて、パデルの技術は大きく分けて3つに分かれます。

このピラミッドに当てはめると一番下の黄色の部分が、フォアバックのストローク・レボテ・回転打ち・ロブ・ボレー・バンデッハ・チキータなどが入る「基本ショット」。

真ん中のオレンジの部分にビボラ・サリダデパレッド・パワーボレーなどの「応用ショット」が入り、一番上の赤い部分にはスマッシュやドロップショットなどの「特別ショット」が入ります。

ここで仮説を立ててみたいと思います。

1試合プレーするのに全員で1,600回ショットを打ったとします。

単純にこれを4人で割れば1人400ショット打っている計算です。

この400ショットの内訳としては、

基本ショット320回(80%)
応用ショット60回(15%)
特別ショット20回(5%)

といった感じになります。

この割合はテニスにおいてもだいたい同様ではないでしょうか。

そしてこの400ショットのうち、それぞれのカテゴリで10%ずつミスがあったとします。

すると基本ショットで32本、応用ショットで6本、特別ショットで2本となります。

仮にこの試合に負け、分析してみたところこのような結果だった場合、あなただったらどのカテゴリーのショットのミスを減らそうと思いますか。

もしくはどのカテゴリーのショットを完璧にしようと思いますか。

もちろん自分と相手のレベル差によって割合は上下するとは思いますが、それでも特別ショットと基本ショットの割合が逆転することはないと思います。

これが絶対正しいとは思いませんが、見当違いでもないと思います。

「派手だけど弱い」
「地味だけど強い」

あなたはどちらを選びますか。

最後に一言。

今からパデルを始める若者には「派手で強い」選手を目指してもらいたい。

その可能性を秘めている若いパデルプレーヤーが羨ましい。

羨ましいので、その行く手を阻む「地味だけど強い」選手を目指そうと思います笑


※追記

パデルにおけるスマッシュはスペイン語で「remate」と言い、意味としては「仕上げる・締める・(死にかけている者に)とどめを刺す」などといった意味があるようです。

また、フラメンコでは踊りがクライマックスに近づき、動きが激しく最高潮に達した後に動きをビシッと止めて終える動作のことをremateと呼ぶそうです。


「仕上げる」ということは、その過程があるから「仕上げ」が必要なわけです。

あなたのremateはトドメを刺せていますか。

生き返られたりしてませんか。

あなたのremateは踊りを終わらせることが出来ていますか。

ダラダラと踊りが続いていませんか。

image


第1シードとして臨んだ今大会ですが、結果はベスト4。

女子の第1シードも惜しくも準優勝。

チームNexus、チームパデル東京としては厳しい船出となりましたが、来年3月の全日本パデル選手権に向けて、チーム一丸となって焦らずパデルの実力を上げていきたいと思います。

今回感じたのは三つ。

一つ目はパデルもテニス同様外的条件(サーフェス、気候、開催地、使用球、インドアかアウトドアかetc)に合わせて自分の技術やプレーをアジャストしていく必要があるということ。(これはもしかしたらテニスよりパデルのほうが難しいかもしれない。テニスはストリングを張るテンションの上下である程度調節が出来るが、パデルは自分の感覚自体を調節しなければいけない)

ということはこれまたテニス同様、各プレーヤーのタイプによって得意不得意のある外的条件があるということ。

そういった得意不得意がないオールマイティーな選手を目指したいが、現実問題としてはテニスのクレーコートスペシャリストのように、自分の得意な外的環境で戦えるトーナメントを意識的に選ぶというのも今後必要になってくるのかもしれない。

二つ目は以前に比べたら「パデル」をしている選手が増えたこと。

去年はレボテが出来たら「おーすごい」だったのが、ちょっと前ぐらいからレボテで返しても誰もあまり驚かなくなりました。

それだけ競技力が向上しているということですね。

それから女子でベスト4に残ったUさん、男子でベスト4に残ったO・Sペア。

こういった選手がテニス力ではなく「パデル力」でベスト4まで勝ち上がったことは、これから試合に出ようとしている人や、惜しくも負けてしまった選手達のこれからの目標や羅針盤になると思います。

三つ目は男女共にパデルに気持ちの入っている選手が多かったこと。

試合を見ていても伝わってきましたし、試合前後の言動を見ても伝わってきました。

私は以前からコーチの仕事とは「選手を励まし、鼓舞し、(ポジティブな)感情を引き出すこと」だと思っています。

「楽しいからまたやりたい」
「上手に打てると楽しい」
「負けて悔しいからもっと練習したい」
「勝つと嬉しいからもっと勝てるように練習したい」

選手のこういった感情をコーチが引き出すことが出来れば、コーチの仕事としては半分成功していると思っています。

負けたのにヘラヘラ笑っている選手より、悔し涙を流すぐらいの選手のほうが私は好きです。

現在私が指導している選手が何人か今大会に出場していましたが、引き続き上達のためのお手伝いをしていきたいと思います。

四つ目は、その指導している選手の悔し涙に、図らずももらい泣きしてしまったこと。

私のほうも感情を揺さぶられていました。

こういった感情になったのはもう何年もなかったので自分でもかなり驚きました。

四つでした笑


決勝まで残った選手の皆さん、おめでとうございます。

それから日本パデル協会、パデル東京、善福寺公園テニスクラブ、TBSオンデマンドのスタッフの皆様、大変暑い中運営、撮影ありがとうございました。

また、用品提供してくださっているパデルアジア様、日本パデル様、いつもありがとうございます。


最後に、私の好きなシーモア・バーンスタインというピアノ教師の言葉を。

「人生には衝突も喜びも調和も不協和音もある。それが人生だ。避けて通れない。同じことが音楽にも言える。不協和音も解決もある。解決の素晴らしさを知るには、不協和音がなくては。不協和音がなかったらどうか?和解の意味を知ることもない」

これをパデルに置き換えてみましょう。

「人生には衝突も喜びも調和も不協和音もある。それが人生だ。避けて通れない。同じことがパデルにも言える。敗北も勝利もある。勝利の素晴らしさを知るには、敗北がなくては。敗北がなかったらどうか? 勝利の意味を知ることもない」

このページのトップヘ