日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

2018年02月

パデル テニス スカッシュ スペイン コーチ

先日、あるグループの方々のレッスンをする機会があった。

事前の情報では定期的にコートを取ってパデルをされているとのことで、どんな内容にするか考えていたところ、「ゲームとかはやってるんですけど、ちゃんとしたやり方とかは知らないのでそれを教えてもらいたい」ということで、よく見かけるテニスのミニチュア版のような形でプレーされてるのかと思いきや、ふたを開けてみたら想像以上だった。

壁を使っていないのはもちろん、ラケットワークやポジションなどもパデルのそれとは程遠い。

教わっていないのだから当然なのだが、レッスン中ある方の「私たちパデル歴1年になるけど何にも知らないままやってたんだねー」という一言を聞いたとき、身近に指導者の存在があることや、身近にパデルが学べる施設があるというのは、パデルを(正しく)普及させるという意味で重要だとこのとき再認識させられた。


さて、今回のタイトル「三足のわらじ」を履かなければいけないのは誰か。

それは指導者である。

一般愛好家は「パデルが出来る」という一足のわらじが履ければ良い。

選手は「パデルが出来る」「パデルを知っている」という二足のわらじを履けることが必要。

指導者は「パデルが出来る」「パデルを知っている」「パデルを伝えることが出来る」という三足のわらじを履くことが求められる。

出来るけど知らない
知ってるけど出来ない
知ってるし伝えることも出来るけど、自分では出来ない

こういう人はスポーツの世界でよくいる。

最後の典型はプロ野球観てヤジを言ってるオジサン 笑

「じゃあお前がやってみろ」というあれです。

ゴルフの石川遼選手のように、その競技経験がない親がコーチをして選手が育つ場合もありますが、やはりあれは「親子」という特殊なケースで、一般的な「コーチと選手(生徒)」の場合はある程度指導者はその競技が出来なければならない。

オリンピックなど最高峰のレベルまで行けば別ですが、その競技の初期の段階で指導者自身が出来ないことをやれと言われても、指導を受ける側としてはそれをなかなか素直には取り組めない。

逆に指導者自身が上手に出来ても、伝え方が「スーっと来たのをバーンって打つ感じ」では多くの人は理解出来ない。

「パデルが上手に出来る」だけでも十分努力を要するし、「パデルを知る」にはそれなりの研究が必要で、「パデルを伝える」には伝えるための勉強が必要です。

今回のレッスンを通して、

良い指導者を養成する

その指導者が良い指導を行なう

その指導を受けた選手や愛好家の方が草の根レベルで他の人に伝える

という正の連鎖をちゃんと起こす必要があると感じました。

こればかりは特効薬的なものはないので根本から地道にやっていくしかない。

でないとパデルの魅力や楽しさが多くの人に伝わらず、多くの方が「ぎりぎりルールは知っている」というだけの状態でプレーすることになり兼ねず、それでは「またプレーしたい」と思う人がなかなか増えない。

「プレー人口」「施設」「指導者」というのは同時進行で増加していく必要があり、その歯車がうまく噛み合ったとき、スターを取ったときのマリオぐらいの疾走感でパデルが世の中を駆け抜けていくことと思います。
 

パデル テニス スカッシュ スペイン 東京

今回は2本。

1本目は言わずと知れた「Mr.パデル」こと、JMD(Juan Martín Díaz)モデルのCONQUEROR 6.0。

PRO LINEの中でも攻撃型のモデルで、これを使うとJMDのようなプレーを目指すことが出来ます。

試打した感想としては、2017年モデル同様やはり重いです。

ただ重いのは重いのですが、我慢出来る重さです。

打球感は2017年モデルに比べると若干柔らかくなったかなという印象で、芯で捉えたときの心地良さは去年同様健在です。

10年前にパデルと出会っていたら迷わず使うラケットです。


パデル テニス スカッシュ スペイン ラケット
2本目はWIZARD 3.0。

率直な感想としてはかなり使う人を選ぶラケットだと思います。

もしかしたらCONQUEROR 6.0よりシビアなラケットかもしれません。

間違いなく競技者向けです。

かなりラケットヘッド寄りにバランスがあり、CONQUEROR 6.0同様芯で捉えたときはみんなのゴルフでジャストミート出来たときぐらい気持ちが良いです。

打球感は硬いですが、ギリギリ我慢出来るぐらいの硬さです。

20年前にパデルと出会っていたら迷わず使うラケットです。


今回紹介した2本はレマテやビボラ等が得意な人にはうってつけのラケットです。

この2本を試打すると、はじめの一歩に出てくる小橋健太の気持ちがよく分かります。

危うく僕も夢見ちゃうとこでした 笑
 

パデル テニス スカッシュ スペイン 東京

一昔前までは、

「俺の言う通り練習してればいいんだ!」
「いいからやれと言ったらやれ!」

といった言葉は、スポーツ界の至るところでよく聞く言葉でした。

私が子供の頃は体罰も罰トレも罵声も横行していました。

テニスの指導者になりたての頃は、体罰こそないものの罰トレを課したり罵声を浴びせたり、理不尽にキレている指導者を時々見かけました。

体罰を加えたことは一度もありませんが(体罰をする指導者の気持ちだけは未だに分かりません)、恥ずかしながら私自身もこういった類の言動をした経験があります。

自分の指導者としての能力の無さを露呈しているだけの愚行だったと今は反省出来ますが、当時は「それだけ指導に情熱を持っている証拠だ!」と正当化し指導していました。

正確に言うと、頼っていたというよりはその方法しか知らなかったというほうが正しいかもしれません。(ただ、「情熱を持って指導する」というのは誰もが出来ることではなく、知識や経験が不足していても情熱である程度までは指導が出来ます)

自身の指導に疑問を感じ始めていた頃、恩師に、

「強い選手、良い指導者になろうと思ったら、『なんで』を考え続けることが大事だよ」

と言われ、

そのあと、

「なんでフォアハンドストロークのグリップはセミウエスタングリップがいいと思う?」
「なんでプロはスライスをかけてボレーを打ってると思う?」
「なんで日本人選手はジュニアのときは強いのにプロになると勝てなくなると思う?」

と問われ、当時は考える材料すら頭の中に見当たらず、答えに窮していると、

「だからあなたは試合で勝てないんだよ。もう少しテニスを勉強してごらん」

とはっきり言われました。

このとき後頭部を金属バットでフルスイングされたときのような衝撃を受けたのと同時に、身体の中でやる気のマグマが沸々と溜まっていくのをハッキリと感じました。

そのときから今もずっと「なんで」を追求する習慣が続いています。

当時この「なんで」が分かってくるようになればなるほど、「そりゃ勝てんわ」「そりゃ上手くならんわ」と思うことの連続で、謎が解けたことの嬉しさと同時に、これを早く知っておけばもっと良い選手になれたかもしれない、あのとき選手にキレずに指導出来たかもしれない、という悔しさがこみ上げてきたのを今でも鮮明に覚えています。

おそらくパデルも数年後には「そういうことだったのか」ということがたくさん出てくるとは思いますが、可能な限りパデルの「なんで」を今後も追求していきたいと思います。


「なんで私は勝てないのか」
「なんで私は上手にプレー出来ないのか」

 まずはここが入口です。

さあみんなで考えよう♪

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