「抑止力」を辞書で調べると、
「行為の達成が困難、または代償が高くつことを予見させ、その行為を思い止まらせる力」
とある。
スポーツで相手より有利に試合を進めようと思ったら、この「相手に◯◯をさせない」という抑止力は必要不可欠で、もちろんパデルも同様である。
具体的な例をいくつか挙げてみたいと思う。
テニスで自分がサーバーだとする。
そのときの相手レシーバーが「ブロックリターン」が上手かったとする。
この特徴に気づいたとき、あなたはどんなサーブを打ち、どんなサーブを打たないようにしますか。
スカッシュで相手がボレーカットに入るのが上手かったとする。
この特徴に気づいたとき、あなたはストレート(クロス)ラリーでどんなボールを打ち、どんなボールを打たないようにしますか。
パデルで相手が壁から出てくるボールの返球が上手かったとする。
この特徴に気づいたとき、あなたはどんなボールを打ち、どんなボールを打たないようにしますか。
弱い相手とやると「あれもこれも出来る」気がして、強い相手とやると「あれもこれも怖くて出来ない」気がしますよね。
強い選手というのは目に見える形ではもちろん、目に見えない形(心理的な)でも圧力をかけるのが非常に上手い。
「そんなことしたら、こうしちゃうよ」
というのを常にチラつかせておくのです。
すると、こちらは何もしていないのに相手が自滅したり、とても消極的なプレーしかしてこなくなるのです。
「どうやったらポイントが取れるか」を考えるのも悪くはないですが、「どうやったらポイントを取らせないで済むか」を考えることは、パデル(とテニス)では必須です。