日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

カテゴリ: 技術

パデル レマテ バンデッハ レボテ スペイン

テニスの技術の中で、そのままパデルでも使える技術がいくつかある。

その中でもスマッシュ(スペイン語ではレマテと呼ぶ。レマテには“仕上げる”というような意味合いがある)はそのまま使えそうな気がする。

だが細かく見ていくと、テニスのそれとは求められる技術や戦術が微妙に異なる。

テニスのスマッシュで求められるのは、大雑把に言うと、

効率的な腕(身体)の使い方が出来るかどうか
リーチ(の長さ)があるかどうか
コースの打ち分けが出来るかどうか

などがある。

一方パデルの場合、この三つに加えて、

ボールに(様々な)回転が掛けられるかどうか
壁に当たったあとに飛んでいくボールの方向をコントロール出来るかどうか
ボールを強く打つことも弱く打つことも出来るかどうか
スイングを緩める(止める)ことが出来るかどうか


なども考慮した技術が必要になる。

テニスにおけるスマッシュの場合、「身体をかなり伸ばして打たなければいけないようなとき」や「かなり深いロブを(グラウンドスマッシュ含め)打つとき」といった、イレギュラーなシチュエーション以外では基本的にはフラットな当たりでなるべく速いスマッシュを打つ。

当たり前だがテニスには壁がないので、相手の身体の横をボールが抜けてしまえば100%ポイントが取れる。
だから「ボールを相手の取れないところに速く打つ」というシンプルな戦術はとても有効である。

一方パデルでは壁から跳ね返ってくる(もしくは壁からボールを出す)ことを想定して打たなければいけないため、スマッシュにおいてトップスピン、アンダースピン、フラット、時にはサイドスピン(正確に言うと異なった技術になるがここでは省略する)といった様々な球種の中からベターなものを選択しなければいけない。

そして最後の「ボールを弱く打つこと」についてだが、テニスで相手にスマッシュを打たれそうという場合、一般的にはコートの後方に下がって相手のスマッシュに対応しようとする。

なので、「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術はテニスでも使えそうな気はする。

だがそれを取られたときのリスクと、相手のオープンコートに速いスマッシュを打って取られたときのリスクを比較すると、圧倒的に後者のほうがリスクが低い。

いわば「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術は、「ハイリスク・ローリターン」な選択なため、テニスでこの戦術を使うプレーヤーはほぼ皆無である。

一方パデルは、相手にスマッシュを打たれそうという場合コート前方に移動することが多い。

そのため、コート後方の壁からあまり跳ね返ってこないようにスマッシュを打つというのは、オープンコートにボールを打っているという意味でも有効であるし、仮にそのボールを取られたとしても相手はコート後方に下げられているため、次に相手が打ってくるボールで逆襲を食らうというリスクが少ない。

というわけで「ローリスク・ハイリターン」な選択とも言えるため、パデルではこの「スマッシュの構えから弱くボールを打つ」という戦術は多く使われる。



どうだろうか。

これだけでも十分テニスのスマッシュとは違うと言えるのではないだろうか。

他にもまだスマッシュで考慮しなければいけない違いがあるので、それについてはまたいつか書きたいと思う。

パデル 東京 コーチ テニス DROPSHOT

ここ最近色々な場所で様々な方のパデルを垣間見ていますが、改めてまだまだ「壁ありき」でプレーをしている方が少ないことを感じます。

①テニスメインの人
②テニスとパデル半々の人
③パデルのみの人

当然ですが後者になればなるほど壁を使おうとします。

ここで悩ましいというか難しいのが、パデルのみの人が壁を使ったプレーをしても「テニス」の人に負けるということが多々あること。

パデルを始めたのが同時期でも、過去にテニスをしていた人とそうでない人と比べるとやはり現段階では差があります。

パデルの技術を「壁を使った技術」と「それ以外の技術」に分けたとして、テニスをしていた人の内訳としては「壁の技術2 それ以外の技術7」だとすると、テニスをしてこなかった人の内訳は「壁の技術4 それ以外の技術2」といったところでしょうか。

どうしても総合力で差が出てしまう。


先ほども言いましたが、「過去にテニスをしてなくてパデルを始めた人」がもっとも壁を積極的に(素直に)使おうとします。

素直に、と書いたのはパデルから始めた人というのは、元テニスプレーヤーのように「成功体験」や「得意なもの」というのがありません。

なので「壁を使って返しましょう」というと、「でも」「だって」ではなく、「はい!」というとても気持ちの良い返事が返ってきます 笑

(強い)テニスプレーヤーであれば、誰でも「自分の長所」を前面に押し出そうとします。

それは戦略の基本的な考え方でもあります。

ですからテニスプレーヤーがパデルコートで自分の目の前にボールが来たとき、自分の得意なストロークやボレーを打たず、レボテで返すということは「自分の短所」を出すことになります。

テニスで強かった選手であればあるほど、この「苦手を避け、長所を出す」というのは無意識に出来る。(無意識になるまで自分のテニスを考えてきている)

私も経験があるが、パデルを始めてまだ間もない頃は「よし、次からはレボテで返そう」と思っていても自分の頭の中に「壁を使わず打ち返しなさい!」というブザーが鳴る感じで、ついラケットを出してボレーやストロークをしてしまうということがしばらくありました。

そのあとに思うことは、

「でもこれでちゃんと返ってるならこれで良くない?」
「というかこっちのほうが点が取れるんじゃない?」

でした。

先ほどの②のあたりにいる人はこれに近いことを感じているのではないでしょうか。

幸か不幸かわかりませんが、これは「テニスの技術だけでは勝てない」と感じる相手が周りに多くなるまでは変わりません。

パデルをきちんと覚えたいという意思のある人であれば別ですが、現状周りの人より上手にプレー出来ているとしたら、おそらくその人はやり方を変えないでしょう。

あなたの周りにもこういった人いませんか?

「〇〇さん、壁も使えるようになったらもっとパデル強いのに」
「〇〇さんは壁使えないけどテニスが上手だから勝てない」

もどかしい、悔しい思いをしている方いらっしゃると思います。

そんな方には「壁が使えないことの最大の弱点」を理論とプレーの両面から伝えてあげましょう。

そこを突いて、壁を使わないとそれ以上先に進めないことを教えてあげましょう。

それが出来るぐらいまで自身のプレーをレベルアップさせましょう。


そしてもしあなたがその壁に今ぶつかっているとしたら、まずはストロークやボレーと同じぐらいのレベルまでレボテを練習してください。

過去にストロークやボレーを一生懸命覚えていたあの時と同じように。

「壁使ったほうが点取れるんじゃない?」

こう思えるまで練習してください。

だから「ボールをあえてスルーする」という練習が必要なんです。

ね、〇〇さん。

パデル テニス バドミントン スカッシュ


パデルは「テニスとスカッシュを合わせたようなラケットスポーツ」とよく言われますが、少し掘り下げて見てみると、壁際のディフェンシブな状況での技術(や戦術)は「テニス+スカッシュ」で、ネット前での比較的オフェンシブな状況での技術(や戦術)は「テニス+バドミントン」のような気がしています。

パデルを知るにはパデルについて書かれた本を読むのが一番ですが、当然のことながら邦訳された書物はありません。

スカッシュの本も日本には数えるほどしかありません。

一方テニスとバドミントンは書店に行くと沢山出版されています。

テニスとスカッシュの本はある程度読んできましたが、バドミントンの本は一度も読んだことがなかったので、手に取って読んでみましたが難しい難しい。

何が難しいかというと、当然のことながらバドミントンに関しては素人なので、シャセだのドリブンクリアーだのクロスファイヤーだのといった、バドミントン特有の技術用語らが何を意味しているのか全く分からず、技術と名前が自分の中で関連付くまで少し時間が掛かりました。。

こう考えると、パデルを初めてやる人がバンデッハだのチキータだのバハダ・デ・パレッドだのと言われても、目が点になってしまう気持ちよく分かります 笑


さてバドミントンの本を読んでいく中で、パデルと大きく違うところとかなり近いところがありました。

一番違うのは技術。

バドミントンのラケットは90〜120g前後のものがほとんどで、一方パデルのラケットは340〜380g前後がほとんどです。

ちなみにスカッシュは100〜140g前後で、テニスは280〜330g前後です。

お分かりの方もいるかもしれませんが、いろいろ技術的な要素がある中で最も違いが現れるのは「リストワーク」です。

当然のことながらラケット重量が軽い競技のほうが手首を使いやすく(効かせやすく)、重いほうが使いにくくなります。

また、他競技に移行する場合もこのラケット重量が近い競技同士のほうがうまくいきやすい。

ということは、

バドミントン⇄スカッシュ
テニス⇄パデル

バドミントンからスカッシュに移行して強くなった選手の話も聞いたことがありますし、もちろんテニスからパデルというのはよく聞きます。

このラケット重量という視点から考えると、似ている部分があるとはいえ、技術やボールを打つ感覚に関して「スカッシュ→パデル」「バドミントン→パデル」というのは、「テニス→パデル」に比べるとかなり違いがあると思います。

「スイングの速度」がより求められるのか、それよりも「ラケットワークの再現性」が求められるのか。

技術と戦術は密接に関係し合っているので、安易に他競技の要素を取り入れるのは危険ですが、それでもこの本から参考になる箇所が沢山ありました。(どっちやねん!というツッコミが聞こえてきそうです 笑)


* 対人競技であること。相手のショットやコースを予測し、逆に自分は相手に読まれないショットやコースを打つよう心がける。それには読まれにくいフォーム、ラケットワーク、フェイントなどが大切。

* 他のラケット競技に比べて打つ打点が多い。

* ラケット競技の中でもフェイントが多い。ラケットワーク、フォーム、ボディアクション、時間差、それらの複合と5つのフェイントをマスターする。フェイントは相手のフットワークやリズムを崩す高度な技術。

* ゲームの得失点の8割から9割はどちらかのミス。ミスの競い合いという意識を強く持って練習する。

* サービスに変化や威力がない。エースが狙えない。コントロールを磨くことがサービスの唯一の努力目標。

* テニスや卓球よりラリーが立体的。



これらの要素はそのままパデルに当てはめて考えても差し支えないと思います。

やればやるほど奥が深いスポーツ、パデル。

¡Animo!

このページのトップヘ