日本パデルアカデミー

「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

カテゴリ: 技術

大井町 パデル001 テニス スカッシュ

テニスからパデルに移行する際、誰もが乗り越えなければならない三つの壁がある。

壁といってももちろんコートの壁のことではない。

まず一つ目は、

「テニスをするかパデルをするか」

ここで“パデルをする”を選んだ人は、二つ目に、

「プレー中壁を使うか使わないか」

ここで“壁を使う”を選んだ人は、三つ目に、

「ロブに対してバンデッハを打つかスマッシュを打つか」

という三つの壁がある。

私も経験したが、どれも何度も「結局テニスしたほうがよくない⁈」という誘惑と闘う必要があった。

テニス未経験者や経験が浅い人にとっては、この誘惑がないか少ないはずなので、その点では迷いなくレボテやバンデッハに取り組める。

この「テニスしたい」という誘惑はいけない!ルナ先生以上の誘惑なのでなかなか抗いずらい。

そういう意味ではテニス経験者にも不利な点はあるのである。

パデル レマテ バンデッハ レボテ スペイン

テニスの技術の中で、そのままパデルでも使える技術がいくつかある。

その中でもスマッシュ(スペイン語ではレマテと呼ぶ。レマテには“仕上げる”というような意味合いがある)はそのまま使えそうな気がする。

だが細かく見ていくと、テニスのそれとは求められる技術や戦術が微妙に異なる。

テニスのスマッシュで求められるのは、大雑把に言うと、

効率的な腕(身体)の使い方が出来るかどうか
リーチ(の長さ)があるかどうか
コースの打ち分けが出来るかどうか

などがある。

一方パデルの場合、この三つに加えて、

ボールに(様々な)回転が掛けられるかどうか
壁に当たったあとに飛んでいくボールの方向をコントロール出来るかどうか
ボールを強く打つことも弱く打つことも出来るかどうか
スイングを緩める(止める)ことが出来るかどうか


なども考慮した技術が必要になる。

テニスにおけるスマッシュの場合、「身体をかなり伸ばして打たなければいけないようなとき」や「かなり深いロブを(グラウンドスマッシュ含め)打つとき」といった、イレギュラーなシチュエーション以外では基本的にはフラットな当たりでなるべく速いスマッシュを打つ。

当たり前だがテニスには壁がないので、相手の身体の横をボールが抜けてしまえば100%ポイントが取れる。
だから「ボールを相手の取れないところに速く打つ」というシンプルな戦術はとても有効である。

一方パデルでは壁から跳ね返ってくる(もしくは壁からボールを出す)ことを想定して打たなければいけないため、スマッシュにおいてトップスピン、アンダースピン、フラット、時にはサイドスピン(正確に言うと異なった技術になるがここでは省略する)といった様々な球種の中からベターなものを選択しなければいけない。

そして最後の「ボールを弱く打つこと」についてだが、テニスで相手にスマッシュを打たれそうという場合、一般的にはコートの後方に下がって相手のスマッシュに対応しようとする。

なので、「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術はテニスでも使えそうな気はする。

だがそれを取られたときのリスクと、相手のオープンコートに速いスマッシュを打って取られたときのリスクを比較すると、圧倒的に後者のほうがリスクが低い。

いわば「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術は、「ハイリスク・ローリターン」な選択なため、テニスでこの戦術を使うプレーヤーはほぼ皆無である。

一方パデルは、相手にスマッシュを打たれそうという場合コート前方に移動することが多い。

そのため、コート後方の壁からあまり跳ね返ってこないようにスマッシュを打つというのは、オープンコートにボールを打っているという意味でも有効であるし、仮にそのボールを取られたとしても相手はコート後方に下げられているため、次に相手が打ってくるボールで逆襲を食らうというリスクが少ない。

というわけで「ローリスク・ハイリターン」な選択とも言えるため、パデルではこの「スマッシュの構えから弱くボールを打つ」という戦術は多く使われる。



どうだろうか。

これだけでも十分テニスのスマッシュとは違うと言えるのではないだろうか。

他にもまだスマッシュで考慮しなければいけない違いがあるので、それについてはまたいつか書きたいと思う。

パデル 東京 コーチ テニス DROPSHOT

ここ最近色々な場所で様々な方のパデルを垣間見ていますが、改めてまだまだ「壁ありき」でプレーをしている方が少ないことを感じます。

①テニスメインの人
②テニスとパデル半々の人
③パデルのみの人

当然ですが後者になればなるほど壁を使おうとします。

ここで悩ましいというか難しいのが、パデルのみの人が壁を使ったプレーをしても「テニス」の人に負けるということが多々あること。

パデルを始めたのが同時期でも、過去にテニスをしていた人とそうでない人と比べるとやはり現段階では差があります。

パデルの技術を「壁を使った技術」と「それ以外の技術」に分けたとして、テニスをしていた人の内訳としては「壁の技術2 それ以外の技術7」だとすると、テニスをしてこなかった人の内訳は「壁の技術4 それ以外の技術2」といったところでしょうか。

どうしても総合力で差が出てしまう。


先ほども言いましたが、「過去にテニスをしてなくてパデルを始めた人」がもっとも壁を積極的に(素直に)使おうとします。

素直に、と書いたのはパデルから始めた人というのは、元テニスプレーヤーのように「成功体験」や「得意なもの」というのがありません。

なので「壁を使って返しましょう」というと、「でも」「だって」ではなく、「はい!」というとても気持ちの良い返事が返ってきます 笑

(強い)テニスプレーヤーであれば、誰でも「自分の長所」を前面に押し出そうとします。

それは戦略の基本的な考え方でもあります。

ですからテニスプレーヤーがパデルコートで自分の目の前にボールが来たとき、自分の得意なストロークやボレーを打たず、レボテで返すということは「自分の短所」を出すことになります。

テニスで強かった選手であればあるほど、この「苦手を避け、長所を出す」というのは無意識に出来る。(無意識になるまで自分のテニスを考えてきている)

私も経験があるが、パデルを始めてまだ間もない頃は「よし、次からはレボテで返そう」と思っていても自分の頭の中に「壁を使わず打ち返しなさい!」というブザーが鳴る感じで、ついラケットを出してボレーやストロークをしてしまうということがしばらくありました。

そのあとに思うことは、

「でもこれでちゃんと返ってるならこれで良くない?」
「というかこっちのほうが点が取れるんじゃない?」

でした。

先ほどの②のあたりにいる人はこれに近いことを感じているのではないでしょうか。

幸か不幸かわかりませんが、これは「テニスの技術だけでは勝てない」と感じる相手が周りに多くなるまでは変わりません。

パデルをきちんと覚えたいという意思のある人であれば別ですが、現状周りの人より上手にプレー出来ているとしたら、おそらくその人はやり方を変えないでしょう。

あなたの周りにもこういった人いませんか?

「〇〇さん、壁も使えるようになったらもっとパデル強いのに」
「〇〇さんは壁使えないけどテニスが上手だから勝てない」

もどかしい、悔しい思いをしている方いらっしゃると思います。

そんな方には「壁が使えないことの最大の弱点」を理論とプレーの両面から伝えてあげましょう。

そこを突いて、壁を使わないとそれ以上先に進めないことを教えてあげましょう。

それが出来るぐらいまで自身のプレーをレベルアップさせましょう。


そしてもしあなたがその壁に今ぶつかっているとしたら、まずはストロークやボレーと同じぐらいのレベルまでレボテを練習してください。

過去にストロークやボレーを一生懸命覚えていたあの時と同じように。

「壁使ったほうが点取れるんじゃない?」

こう思えるまで練習してください。

だから「ボールをあえてスルーする」という練習が必要なんです。

ね、〇〇さん。

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