日本パデルアカデミー

テニスとスカッシュのハイブリットスポーツ、パデル。 パデルは40年ほど前にスペインで生まれたスポーツで、欧州や南米を中心に親しまれており、本場スペインではテニス人口を上回る競技人口をもつ人気スポーツとなっています。 「パデルが上手になりたい」という方のお役に立てれば幸いです。

タグ:ダブルス

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スポーツは大きく分けて瞬発力系競技、筋持久力系競技、神経系競技と大別される。

瞬発力系に代表される競技といえば重量挙げや短距離走、筋持久力系に代表される競技といえば長距離走やトライアスロン、神経系に代表される競技といえば射撃やアーチェリーなどがある。

テニスやサッカーなどの球技は瞬発的に速く動く要素も多いが、試合時間が1~2時間を超える場合も多いため持久系の要素もある。

パデルはどうか。

その前に、先ほどは書かなかったがテニスには繊細なラケットワークや身のこなしが必要とされる技術も多数あるため、神経系の要素もある。

パデルに話を戻す。

パデルもテニスと同様この三つの要素があるが、テニスに比べると筋持久力系と神経系が占めるウェイトがより多いように思う。

この二つの中でも神経系はより重要だと思っている。

神経系を言い換えるなら「感覚」といったところだろうか。

テニスでもパデルでも「身体の使い方が上手い」「タッチが柔らかい」と評される選手がいる。

例えばこんな選手たち。



 



 





こういったプレーをするには、様々テクニックを覚える過程で「遊び」の要素を取り入れながら練習すること、こういったイマジネーションをかき立てられるようなプレーを「観る」こと、更に言えばSAQトレーニング、コーディネーショントレーニング、ハンドアイコーディネーショントレーニングなどが必要である。

パデルはテニスに比べるとパワー(筋力×スピード)が求められる場面が少ない一方で、イレギュラーや速いボールへの対応がテニスより多くなる。

となると、身体(や手先やラケット)を自在に操ることが出来たり、反射能力やハンドアイコーディネーション能力が高いほうが有利で、それらが可能となるような練習やトレーニングにより多くの時間を割いたほうがコート上でのパフォーマンスアップにつながるのではないかと思っている。

最初に挙げた神経系の競技で活躍している選手の中には、比較的年齢が上の選手やふくよかな体格の選手が少なくないが、パデルでもそういった選手が世界レベルで多数活躍している。

もちろんこれ以外の要素も多々あるが、こういった事実もパデルがパワー以外の要素が占めるウェイトが高い競技である証拠なのではないだろうか。

もちろん基礎体力を向上させてからの話にはなるが、こういった違いも考慮して練習やトレーニングに取り組んでみてはいかがだろうか。

パデル レマテ バンデッハ レボテ スペイン

テニスの技術の中で、そのままパデルでも使える技術がいくつかある。

その中でもスマッシュ(スペイン語ではレマテと呼ぶ。レマテには“仕上げる”というような意味合いがある)はそのまま使えそうな気がする。

だが細かく見ていくと、テニスのそれとは求められる技術や戦術が微妙に異なる。

テニスのスマッシュで求められるのは、大雑把に言うと、

効率的な腕(身体)の使い方が出来るかどうか
リーチ(の長さ)があるかどうか
コースの打ち分けが出来るかどうか

などがある。

一方パデルの場合、この三つに加えて、

ボールに(様々な)回転が掛けられるかどうか
壁に当たったあとに飛んでいくボールの方向をコントロール出来るかどうか
ボールを強く打つことも弱く打つことも出来るかどうか
スイングを緩める(止める)ことが出来るかどうか


なども考慮した技術が必要になる。

テニスにおけるスマッシュの場合、「身体をかなり伸ばして打たなければいけないようなとき」や「かなり深いロブを(グラウンドスマッシュ含め)打つとき」といった、イレギュラーなシチュエーション以外では基本的にはフラットな当たりでなるべく速いスマッシュを打つ。

当たり前だがテニスには壁がないので、相手の身体の横をボールが抜けてしまえば100%ポイントが取れる。
だから「ボールを相手の取れないところに速く打つ」というシンプルな戦術はとても有効である。

一方パデルでは壁から跳ね返ってくる(もしくは壁からボールを出す)ことを想定して打たなければいけないため、スマッシュにおいてトップスピン、アンダースピン、フラット、時にはサイドスピン(正確に言うと異なった技術になるがここでは省略する)といった様々な球種の中からベターなものを選択しなければいけない。

そして最後の「ボールを弱く打つこと」についてだが、テニスで相手にスマッシュを打たれそうという場合、一般的にはコートの後方に下がって相手のスマッシュに対応しようとする。

なので、「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術はテニスでも使えそうな気はする。

だがそれを取られたときのリスクと、相手のオープンコートに速いスマッシュを打って取られたときのリスクを比較すると、圧倒的に後者のほうがリスクが低い。

いわば「スマッシュの構えから相手コート手前に短くボールを打つ」という戦術は、「ハイリスク・ローリターン」な選択なため、テニスでこの戦術を使うプレーヤーはほぼ皆無である。

一方パデルは、相手にスマッシュを打たれそうという場合コート前方に移動することが多い。

そのため、コート後方の壁からあまり跳ね返ってこないようにスマッシュを打つというのは、オープンコートにボールを打っているという意味でも有効であるし、仮にそのボールを取られたとしても相手はコート後方に下げられているため、次に相手が打ってくるボールで逆襲を食らうというリスクが少ない。

というわけで「ローリスク・ハイリターン」な選択とも言えるため、パデルではこの「スマッシュの構えから弱くボールを打つ」という戦術は多く使われる。



どうだろうか。

これだけでも十分テニスのスマッシュとは違うと言えるのではないだろうか。

他にもまだスマッシュで考慮しなければいけない違いがあるので、それについてはまたいつか書きたいと思う。

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パデルの試合に出場したことがある方、あるいは競技としてパデルに取り組んでいる方はすでに感じているかと思いますが、パデルでは(特に初歩の段階では)「一人狙い」という戦略が使いやすく、また効果的です。

ごくごく大雑把な戦略として、まず考えるのは相手のデュースサイドとアドバンテージサイド、どちらのプレーヤーにボールを集めたほうがポイントが取りやすいのか。

これは二択です。

ここで明らかにポイントが取りやすいサイドがあればこの時点で戦略決定です。

とても簡単です。

次に相手プレーヤーを「壁を使った技術」と「上(レマテやバンデッハ)の技術」に分けて評価します。

こうすると四択です。

デュースサイドのプレーヤーの壁際にボールを集めたほうがいいのか、頭上に集めたほうがいいのか。

もしくはアドバンテージサイドのプレーヤーの壁際にボールを集めたほうがいいのか、頭上に集めたほうがいいのか。

ここでも四カ所のうちどこかに穴があれば戦略決定です。

これでもまだだいぶ簡単です。

このいずれかに当てはまるとなると、基本的にはそこを狙うということ以外に細かいことは考えずに済みます。

プレーする上で「考えながらプレーしなくていい」ということほど楽なものはありません。

○○を狙っておけばポイントが取れる
○○を狙っておけば試合に勝てる

この状態はストレスフリーでのびのびプレーが出来ます。

逆に相手が、

どこを狙ったらポイントが取れるか分からない
どこを狙ってもポイントが取られそうな気がする

こう思うように自分(たち)のプレーを作り上げられたら最高です。

相手はプレー中常に判断を迫られることになり、ストレスが常にかかった状態でプレーすることになります。

昭和世代であれば覚えている方も多いかと思いますが、ロス五輪で柔道のモハメド・ラシュワンが決勝で山下泰裕の負傷していた右足を狙わず試合をした、というスポーツマンシップのお手本のような美談がありますが、残念ながらそのような選手はパデルコートにはいません。

テニスコートではどうでしょうか。

昔(といっても100年近く前になりますが)ウィンブルドン決勝でプレー中に転倒した相手のチルデンに、清水善造が「やわらかなボール」を相手コートに返球しその結果ポイントを失い、結果的にはあと1ポイント取れば勝利のところまでいって負けたのですが「相手の弱みに漬け込まない立派な選手」として賞賛され、これもスポーツマンシップのお手本として教科書にも載ったという話があります。

これらの逸話を聞くと「弱いところを狙うなんてけしからん」となりそうですが、現実にはそんなことはなく、山下泰裕氏は後日談として、

「ラシュワンがケガした私の右足を気遣って、全く右の技をかけなかったというのは事実ではない。ラシュワンは最初の攻撃で右足を狙ったが、私が普段と逆の左足を軸にして返しに行き、そのまま抑え込みに入って一本勝ちとなったのである。それにそもそもケガしたところを狙うのは立派な戦略である」

と語っていますし、清水善造氏も、

「チルデンが転んだとき私はチャンスと思った。ただその時にチルデンが倒れた右側に打ち返そうか、それとも左側に打ち返そうかの判断を一瞬迷った。迷いながら打ち返したら打ち損ねてチルデンが打ち返しやすい打球になってしまった」

と語っています。

やはり勝負の世界では当然のことながら相手は、「弱い」「ポイントが取れる」と思ったところを容赦なく攻めてきます。

これはパデルでも同様です。

ですので、どのレベルにおいてもまずは「ここにボールが来て欲しくない」という「弱点」を作らないことです。

言い換えれば「オールラウンド」なプレーが出来るよう自分を作り上げていくことが求められます。


返せるところと返せないところがある

どこにボールが来てもなんとか相手コートに返すことは出来る

どこにボールが来てもある程度なら狙って返すことが出来る

どこにボールが来てもしっかり狙って返すことが出来る

どこにボールが来ても速いボールでしっかり狙って打つことが出来る


あなたは今どの段階ですか。

いきなり最終段階から始めてないですか。


¡Animo!

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