以前は私もそうであったが、日本人というのは往々にして「基本」が好きである。
もうちょっと具体的に言うと、「基本の打ち方」というものが好きである。
テニスでもゴルフでも、「基本の正しいフォーム」をしっかり覚えてからコースに出よう、試合に出ようと考える。
多くの人が、「ちゃんとしたフォームで打てるようになってから」と考えるのだ。
しっかり練習を積んで本番に備える、この考え方はとてもよく分かる。
「みっともないフォームで試合に出るのは恥ずかしい」
「負けたら恥ずかしい」
というのもよく分かるが、以前も書いた通り負けないと自分に何が足りないかが分からないので、一定の練習を積んだらやはり試合に出るほうがその後の練習の目的が明確になる。
みっともないフォームで試合出るなんて・・と考え、「基本の(綺麗な)打ち方」が身につくまで試合に出ない人は多い。
フィギュアスケートのようにフォームが得点の対象になるスポーツであれば分かるが、パデルやテニスはフォームの綺麗・汚いは得点とは全く関係がない。(再現性や効率、身体的負担の有無などは関係がある)
打ち方が汚くても得点が取れるし、綺麗でも得点が取れないこともある。
最近強く思うのは、フォームというのは「そうする」ものではなく、「そうなる」ものだということ。
フォームありきなのではなく、勝とうと思ったらこのフォームに「なっていった」というほうが正しいのではないか。
「つまらない日々の練習に耐えて、発表会で良い演技をする」
「発表会で良い演技をするにはどんな練習したらいいかなぁ」
後者のほうが過程が楽しいような気がする。
私はスポーツとは本来「ゲームを楽しむ」ために行なうものだと思っている。
だからまずはゲームを楽しんで欲しい。
そしてもっと奥の深い「楽しさ」を味わうために技術の向上に励んで欲しい。