
バンデッハを打つときにジャンプしたほうがいいのか、しないほうがいいのか。
よく聞かれる質問の一つですし、迷われている方も多いかと思います。
答えから言ってしまうと、「バンデッハを打つときはジャンプしないほうがいい」です。(今日はバンデッハの話ではありません)
ここでも、「でもプロの選手みんなジャンプしてるじゃん」と頭の中で思っている方も少なくないはずです。
では全く同じこのセリフを、世界ランキング16年連続1位のBelaが言っていたとしたらどうでしょう。
おそらく、「(やっぱり)そうなんだ!」となるはずです。
ということは、その人が積み上げてきたものの違いによって受け取り方が変わる。
アドバイスとしては全く同じものなのに、言う人が変わると捉えられ方も変わる。
これはスポーツの世界でなくともよく起こる出来事です。
テニス時代の話になりますが、IMGアカデミーで当時アガシやセレスの指導にあたっていたヘッドコーチの講習会に参加したことがあります。
片手バックハンドのテークバックの説明の際、「ん?」と思う箇所があり、なぜあのような形でテークバックしたほうがいいのですか?と講習後に聞いてみました。
するとそのコーチは一言、「そのほうが自然だからだ」と言い、ウィンクして会場を後にしていきました。
このとき、「№.1(選手やコーチ)になるとこんなに楽になるんだ」と衝撃を受けた記憶があります。
その後勉強していくにつれ、そのコーチの言う「自然」の意味が分かり、きちんと根拠があっての回答だったことが分かりました。(ただ、動作が“自然”だからといってそれが“適切”かどうかというのはまた別問題です。テニスやパデルは「ラケットを扱ってボールを打ち、決められた範囲にボールを打たなければいけない」スポーツだからです。動作的にそこまで効率的でなかったり、多少不自然であっても、それ以上に優先したほうがいいものがあるからです。ここは選手や指導者の考え方の違いでよく議論されるところです)

おそらく皆ムーディ勝山状態になることでしょう。
となると、自身の発言に耳を傾けてもらえるような指導者になるために残されている道は三つ。
誰もが納得するような戦績を自身で残す
誰もが納得するような戦績の選手を輩出する
選手やクライアントのあらゆる「なぜ」に答えられるように勉強する
このいずれかにならなければいけません。(サービス業の色合いが濃い指導者を目指す場合はこの限りではありません。むしろこれとは全く違う要素が求められます)
そして誰かの指導を受ける際は、このいずれかが当てはまる指導者を選べば間違いは少ないはずで、あとは長嶋監督や新庄選手のように感覚的なアドバイスか、野村監督やイチロー選手のように理論的なアドバイスを好むかどうかという問題だけです。
とここまで偉そうに書いてきましたが、私もまだまだ勉強しなければならないことばかりですし、また今まで知り得た知識も定期的にアップデートしないといけないと思っています。
サッカーの元フランス代表監督のロジェ・ルメールは、「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」と言っていますし、相田みつをも「一生勉強 一生青春」と言っています。
一見きびしい言葉のようにも感じますが、死ぬまで勉強を続ければ指導の現場に立ち続けることが出来ますし、一生青春状態ということでもあります。
まだまだ青春は続きそうです。
Vamos a estudiar!