「どこのスクールに通ったらいいか分からない」
「スクールのどのコーチに習ったらいいか分からない」
パデルを始めたばかりの人によくある悩みですが、今回お伝えする部分をチェックすれば「どのスクール(コーチ)に習ったらいいか」が分かるようになります。
スクールやコーチを選ぶ際の「チェックポイント4選」を紹介します。
テニスコーチ歴22年、パデルコーチ歴8年の経験による私なりのチェックポイントなので、「パデルを始めようと思っている方」はぜひ参考にしてください。
また、パデル以外にもテニスや他のスポーツ、習い事などにも転用できる部分もあると思うので、そういった方の参考にもなったら幸いです。
チェックポイント
最初に皆さんにチェックして欲しいポイントをお伝えします。
- 良いコーチが初心者や初級者を教えているか(スクール)
- 指導対象に関する発信を定期的にしているか(コーチ)
- コーチが生徒に負けるようなことはないか(コーチ)
- 選手(もしくは指導者)として実績があるか(コーチ)
一つずつ解説していきます。
良いコーチが初心者や初級者を教えているか
通常スクールには「初級クラス」「中級クラス」「上級クラス」というようにレベル別にクラスが設定されています。
いきなりスクール業界の不都合な真実をお伝えしますが、テニススクールなどではほとんどの場合上級クラスをベテランコーチ、初級クラスを担当します。
なぜかというと理由は2つあって、
「上級クラスの生徒のほうが目が肥えているので、レッスンに対する評価がきびしい」
「新人コーチが担当すると生徒に負ける可能性がある」
からです。
レッスンにも「良い悪い」がありますから悪いレッスンをするとクレームが来ますし、また生徒側としては自分より下手なコーチに習うためにお金を払ってスクールに通っているわけではないので、これもまたクレームが来る可能性が高くなります。
スクール側としてはこういったクレームを避けたいので「上手な(ちょっと怖めの)ベテランコーチ」が上級クラスを受け持つことが多くなります。
ベテランコーチが教えたほうが「より上手になるから」という理由でベテランコーチが上級クラスを受け持つこともありますが、これまで私が見てきたスクールの大半は前者の理由が多かったです。
要は上達してもらうことよりクレームが来ないことを優先しているわけですね。
良いレッスンをする新人コーチや上手な新人コーチももちろんいますが、やはり一定の経験を積んだコーチのほうが能力が高い場合が多いです。
となると「上手な生徒をより上手にするにはやはり良いコーチが必要なのでは?」ということになりそうですが、これもまた真実です。
現場を知っている身からするとこれは少し理想論になってしまいますが、「指導レベルに関わらずどのレベルでも良いコーチが指導する」がベストです。
ですがどこのスクールも台所事情がきびしく、良いコーチを優先的に上級クラスに配置するためどうしても初級レベルのクラスを新人コーチが担当することになります。
これの何がまずいのでしょうか。
ここから少し他競技の名指導者の言葉を借りながらお答えしていきたいと思います。
プロ野球の中日ドラゴンズ元監督の落合博満氏は監督時代、「良いコーチは一軍じゃなくて二軍に置く」と言っていましたがこれは何を意味するのでしょうか。
落合氏曰く、「プロの世界の一軍にいるような選手は、誰から教わらなくても良い技術を持っている。だから1から教えてやる必要はない。けど二軍にいるような選手の中には1から教えてやらないといけない選手がいる」からだそうですが、競技やレベルは違えどこれは一般レベルのスクールにも共通する部分はあります。
上級クラスにいらっしゃる多くの方は歴も長く、また(良くも悪くも)自分なりのフォームが身についています。
誤解を恐れずに言えば、上級者というのは「今身についているものをブラッシュアップさせていく作業」がメインになります。
一方二軍にいる選手は基本的には「これから」の選手で、どちらかというと(一軍で活躍するための)「土台作り」のほうが大事な選手が少なくありません。
(レベルはまったく違いますが)スクールの初級クラスもこれと似ていて、初級クラスにいる多くの生徒はこれから上達するためのプレーヤーとしての「土台作り」が必要です。
家や木造建築などを想像してもらえればわかりやすいと思いますが、土台の面積が狭いとその上に作られる居室も狭いものにならざるを得なくなりますし、グラグラした状態の土台の上に居室を作ってもいつ崩れるか分からないため不安ですよね。
それと同じで、プレーヤーとしての土台も「面積が広くてしっかりした作り」の土台がいいのは言うまでもありません。
この「面積が広くてしっかりとした土台」を作るためにはやはり良いコーチが必要です。
良いコーチが初心者や初級者を教えたほうがいいというのはこれが理由です。
土台がしっかりしておけばそのあと余程変なことをしなければある程度順調に上達します。
逆に土台がスカスカ、グラグラな状態でなんとか上達してきた選手をさらに向上させるというのはかなり至難の技です。
指導者目線で「この部分はさすがに直したい」という部分があっても、これまで重ねてきた練習時間やフォームのクセをリセットするというのは、選手指導者どちらも心身共にかなり根気がいる作業になるため、「これまでのフォームでなんとか戦えるようにする」という選択をする場合がほとんどです。(選手寿命も考慮します)
初心者〜上級者まですべてのレベルにおいて良いコーチの指導を受けるのがベストですが、それが無理な場合は学び始めの初期段階で良いコーチに習い、上級になったら一般的なコーチに習うのがベターでしょう。
パデルのようなスポーツも「最初が肝心」ということです。
ちなみにサッカーの世界では「(各国の)代表レベルの選手たちを教えるより、クラブチームの選手たちを教えるほうが楽しい」という価値観を持っている監督も少なくないそうで、これは「代表レベルの選手たちはもうすで“出来上がっている”」からとか、「代表合宿の期間しか指導ができず、常時一緒にいて指導・育成を行うことができない」からだと言われています。
指導対象に関する発信を定期的にしているか
1億総メディア時代と言われる昨今ですから、多かれ少なかれパデルに関する発信をしている指導者がほとんどのはずで、逆に言うとこの時代に指導対象に関する発信を全くしていない指導者がいたとしたら、その時点候補から外していいと思います。
ネットで検索して気になったコーチやスクールのブログやYouTube、音声配信などをチェックしてみてください。
特に意識して欲しいのはその指導者の「考えていること」です。
その考えていることに納得できたり、習ってみたいという気持ちになった指導者に習うことをおすすめします。
これは私見ですが、「発信の頻度や量」と「指導対象に対する知識」は相関関係にあることが多いです。
ですので「発信が多いこと」と「発信内容に納得・共感できること」、この二つを満たしたコーチに習うのがベターです。
コーチが生徒に負けるようなことはないか
これはタイトル通りです(笑)
自分が生徒の立場で、自分が勝っちゃうコーチに習いたいと思う人誰もいませんよね。
そんなことあるわけないと思う方もいるかもしれませんが、私がいたテニススクール業界ではこの状況をたくさん目にしてきました。
そんなコーチに習いたい人誰もいないんじゃないの?となりそうなんですが、意外とそういったコーチも多いです。
そういったあまり自分が強くないコーチというのは、知識武装してレッスンに備えていることが多いので、「一緒にプレーすることを通して教えることはできないけど、話すこと・伝えることで教える」ことができます。
ですがやはりプレーも上手だし知識も豊富なコーチに習うのがベストなのは言うまでもありませんね。
選手(もしくは指導者)として実績があるか
これもほぼタイトル通りです。
指導者になる前に選手活動をしていたコーチであれば、選手としての実績があるコーチのほうが良いコーチである確率は高いでしょう。
なぜなら選手(もしくはコーチ)として勝負の世界で実績を残そうとした場合、これはもうシンプルに「パデルが上手い」か「パデルを知っている」必要があるからです。
ただここで一つ気をつけたいのは、「選手」という職業と「コーチ」という職業は当然ですが求められるものが違います。
「プレーをすること」で対価を得る職業の人と、「伝えること」で対価を得る職業の人が求められる能力が同じであるわけがありません。
a.プレーは上手いけど伝えることは上手くない
b.伝えることは上手いけどプレーは上手くない
c.プレーすることも伝えることも上手い
d.プレーすることも伝えることも上手くない
指導者としてはcである必要があります。
レッスンを受けているとコーチのお手本を見たいという場面があるかと思いますが、bだとそれが難しくなります。
またレッスンやスクールに通われる方の多くはコーチのプレーを見るのが目的ではなく、コーチから教えてもらうのが目的の場合がほとんどなはずです。
となるとaの場合「シュッて振ってみてください」「(お手本を見たあとに)こんな感じでプレーしてみください」となる可能性大です。
視覚からも聴覚からもアプローチしてもらえるほうが理解度が増すのはいうまでもありませんから、ぜひcのコーチを見つけください。
まとめ
今回は「スクールやコーチを選ぶ際のチェックポイント4選」についてお伝えしました。
良いコーチやスクールを選ぶのに時間をかけたり、良いコーチに習うということは、一見すると「遠回り」「コスパ悪い」ように感じますが、3年5年10年といった中・長期的なスパンで見た場合「最短で上達」「コスパ良い」ことがほとんどです。
これまでのコーチ経験を経てこれは断言できます。
土台作りを間違えると遅かれ早かれ必ず壁にぶつかります。
壁にぶつかったときの対応は以下に分かれます。
・一からやり直そうとする
・その壁付近で上達が止まる
・競技を辞めてしまう
このいずれかに当てはまるのですが、「一度身についた癖をリセットして新たな癖を身につける」のに要する時間は、「初めて新たな癖を身につける」のにかかる時間の3倍時間がかかります。
なぜかというと「一度身についた癖が消えるのを待つ」必要があるからです。
何かを初めて身につけようとする人はその時間は必要ないので当然ですね。
「今すぐにでもパデル始めたい!」
「レッスン受けたい!」
気持ちはよく分かりますがはやる気持ちを抑えて「ちゃんと土台作りができる」コーチやスクールを選んでください。
この記事がその参考になれば幸いですし、私が運営しているアカデミーでもレッスンを開催しています。
興味がある方はご連絡ください。
【追伸】
当アカデミーではレッスンや選手クラス以外にも、
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》JAPAN PADEL ACADEMY
マッサージガンを探している方、リカバリーに興味がある方はこちらの記事が参考になるかと思います。
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