今日は毒吐きオジサンとしてこの記事を書くので、人によっては気分を害する可能性があります。
でもここ数年ずっと頭の中にあることなのでこの際だから言っちゃおうと思います。(この際ってどの際?)
そして今日はテニス経験者の話なので未経験の方はなんのこっちゃわからないと思います、すみません。
テニスやってました、を定義付けしたい
ここ2、3年ずっと自分の中でモヤモヤしていることがある。
いやもう少し前からずっとモヤモヤしている。
何にモヤモヤしているかというと、ちょっと結果やポジションを手に入れたら急に挑戦しなくなっちゃう選手たちのことである。
ここでいう挑戦というのは「技術的な挑戦」ということと、誰か特定の選手を指してるわけではないことを最初に伝えておく。
本題に入る前にパデルを始める際によく聞く「(パデルの前は)テニスやってました」のテニスやってましたを定義付けしたい。
・グラウンドストロークとボレーにおいて(フォア・バック)トップスピン・フラット・スライスを打ち分けることが出来る
・サーブにおいてスピンサーブ・フラットサーブ・スライスサーブを打ち分けることが出来る
・シングルスとダブルスの基本的なセオリーを理解している
私の中で「テニスやっていた」というのは以上のことを指す。
とここまで読んでいただいた方のほとんどが気持ちが離れたのではないかと思う。
もちろんどこの視点から見るかで全く評価が変わるのは百も承知で、私は曲がりなりにも「日本一(の選手を輩出すること)を目指していた元テニスコーチ」という視点で見ているので予めご理解いただければと思う。
なぜこんなことを書くかというと、これまで過去に「テニス7年くらいやってました。でもダブルス(をプレーすること)が多かったです」という方がレッスンにいらっしゃって、なかなかネット前に行かないので話を聞いてみたら、「テニスのときはずっと雁行陣の後衛としてしかプレーしてなくて、だからボレーとかしたことないです」という話を聞いたり、パデルではスライスが有効ですよーという話をしてもストローク(やレボテ)でボールにトップスピンをかけて打つ人がいたので、この人にも話を聞いてみたら「テニスのとき一度もスライス打ったことないです。バコるかムーンボールどっちかしか打ったことないです」というような話を聞くことがこれまでに何度もあった。
多少の違いはあるものの、これらと似たような経験値やレベルの方が少なくないであろうことは理解している。
今回私がわざわざ定義付けしたいと言ったのは、お互いに共通の認識を持っておきたいからである。
初めての病院にかかるとき問診票を書くと思うが、あれがない状態で医師と話すより、問診票を医師に見てもらいながら話すほうが話が早いのは理解してもらえると思う。
理想を言えばスクールも問診票のようなものがあれば良いのだが、「どの目線から判断するか」によって診断が大きく変わるので現実問題なかなか難しい。
なので私の(レッスンの)場合は今回の定義を共通事項としてもらえたらと思う。
オールラウンダーか、一芸タイプか
ここからが今日の本題である。
日本のトッププレーヤーと呼ばれる人たちの中にも、テニス時代は「ストロークはフラット一辺倒だった」とか、「スピンサーブほとんど打ったことない」というような選手を見かける。
テニス時代のことなんだしそんなの別にいいじゃんと思うかもしれないが、パデルを高いレベルでプレーしたいとなるとそういうわけにはいかない。
テニス経験者の場合、自分が得意としていたショット(や回転やコース)以外のショット(や回転やコース)というのをとても“遠く”感じる。
現在自分が苦手なショットを、得意なショットと同レベルに引き上げるのには途方もない時間がかかるような気がしてしまう。
大きく分けるとプレーを作り上げる方法としては二つあり、テニスを例に挙げると一つは「オールラウンダー」で、もう一つは「クレーコートスペシャリスト」だ。
この二つを掘り下げて解説したいのだが、今日はテニスが本題ではないので割愛する。
要は万能タイプを目指すか一芸に秀でるタイプを目指すかということで、一芸に秀でるタイプを目指すならその一芸を極めなければ「ただの選手」になってしまうことは容易に想像できるだろう。
パデルでいうと「あの人にスマッシュ打たれたらおしまい」とか「あの人に構えてレボテされたらおしまい」というように、そのショットを打たせたら手も足も出ないというレベルに仕上げないと一芸タイプは生き残れない。
指導者としての私のスタンスは選手が選択したほうを尊重する。
ただジュニア期の選手の場合は将来オールラウンダーになれるよう指導する。
そのほうが将来どちらの道にも進めるからだ。
一方で選手という立場で選択するとしたら私は間違いなくオールラウンダーを目指すし、今も目指している。
この話もしたいのだが今日は自分の話ではないのでまた次回にw
その一芸タイプは成立してる?
一芸タイプにも「あり」と「なし」がある。
これは私も経験があるが、パデルを始めてしばらくはバンデッハが苦手だったので「スマッシュとビボラだけでなんとかなるっしょ」と考え、その二つに磨きをかけようと考えていた。
国内では問題ないものの海外に出るとバンデッハが打てないことのデメリットを痛感するようになり、結局バンデッハも覚えることにした。
テニスからパデルに移行して来た人で当時の私と似たような考えになった人は少なくないのではないか。
これよりもっと分かりやすい例を挙げてみる。
テニス経験者が「レボテなんかしなくてもストロークとライジングだけでなんとかなるっしょ」と考えた場合どうだろう。
この場合国内でもトップに立つのは難しいのが想像できる。
もうお分かりかもしれないが、このように立ちたい舞台によって「技術のドレスコード」があり、それをクリアしてないとその舞台の会場に入ることもできない。
本当に世界を舞台に戦いたい人に伝えたい。
世界という舞台のドレスコードは「これは出来ないという弱点が(少)ない」ことである。
万が一世界の舞台に建てたとしても、そこにいる選手たちが出来ない部分を見逃してくれるわけがない。
私の場合は前例がなかったので行ってみて気づいたが、今から始める人たちには先達がいるので国内にいてもある程度世界の情報がある。
間違いなく私より効果的に上手になれるはずだ。
「自分はどんな特徴がある選手か」
「それを踏まえ自分はどのタイプを目指すか」
これをしっかり見極め、準備し、世界の舞台に挑戦して欲しい。
【追伸】
当アカデミーではレッスンや選手クラス以外にも、
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》JAPAN PADEL ACADEMY
マッサージガンを探している方、リカバリーに興味がある方はこちらの記事が参考になるかと思います。
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