先日この本を読了した。
もし野球のスイング理論がパデルのストロークやレボテの上達に役立つとしたら?
実は競技が違っても動作の本質は共通している部分が多い。
今回は『バッティングを科学する』を読んで考えたことを中心に、最後にパデルのストロークやレボテに応用できるポイントを紹介するので最後まで読んでほしい。
本を選ぶ基準
私はスポーツ関連の本をよく読むが、手に取る基準にはある程度の共通点がある。
①道具を使うか
②対人競技か
③オープンスキルの要素が強いか
④技術(スキル)や戦術(駆け引き)があるか
⑤結果を出している選手もしくは指導者か
⑥個人的に好きか
⑦メジャースポーツか
パッと挙げろと言われるとこんな感じだろうか。(こういった「これまで薄々自分で気づいてはいたけど言語化できていないこと」を言語化できるのがブログの大きな魅力やメリットの一つだと思う)
①に関してはやはり「ボール」や「ラケット」を用いる競技の本にいちばん意識が向かうが、ラケットを扱うバドミントンや今回のような野球にも目が行く。
②に関してはほとんどのスポーツがある意味対人競技(他の選手と競っているという意味で)だが、プレー中に実際相手と相対する(攻防がある)競技に目が行く。
③に関してはジピちゃん(ChatGPT)が分かりやすく答えてくれた。
#ジピちゃんありがとう
【オープンスキルとクローズドスキル】
スポーツのスキルは 「オープンスキル」と「クローズドスキル」 に分けられます。
オープンスキル は 状況が変化する中で瞬時に判断するスキル です。
例)テニスやパデルのラリー、サッカーのパスやドリブル
クローズドスキル は 周囲の影響を受けず、決まった動作を正確に行うスキル です。
例)テニスやパデルのサーブ、陸上競技の短距離走
テニスやパデルでは 両方が必要 で、まずクローズドスキルで基本を固め、オープンスキルで実戦的な練習をすると効果的です。
以前この動画内で私もオープンスキルとクローズドスキルについて述べていたので、お時間ある方はこちらもどうぞ。
④は生まれ持った能力(遺伝子レベルで決まっているもの)だけでは差がつきにくい競技のこと。
言い換えるなら後天的に獲得できる能力で勝負ができる余地が多い競技に目が行く。
この部分に関して興味がある方にはこちらの本をおすすめする。
NBAでは「遺伝子検査をして遺伝による病気で身長が高くなる可能性がある選手を獲得している」とか、MLBの優れたバッターの「反応時間や眼の能力は並の選手と同等」とか、興味深い文献が多数載っているのでぜひ。
⑤は当然といえば当然なのだが、弱い選手よりは強い選手の言葉のほうが説得力があるからだ。
更に言えば、トップにいた期間が短い選手よりトップに居続けた選手の言葉のほうがより説得力がある。
⑥は完全に主観なので詳細は省く笑
⑦は今回のように野球の本をよく読む理由にも繋がる。
お金と競争
国内のプロスポーツで最もメジャーな競技は?と聞かれたら、私はプロ野球と答える。
競技人口という視点で見ると1位じゃない気がするが、認知度・興行的な成功・プロスポーツ選手としての収入等々を考慮すると、日本ではプロ野球なのではないか。
お金が集まるところに才能が集まるなどと言われるが、これはスポーツにも当てはまると思う。
アメリカでは最新のトレーニング理論などはNFL(アメフト)から始まると言われるが、選手はもちろん指導者も最も稼げる場所に行こうとするからだ。(NFLの年間収益は2.7兆円)
日本国内で完結するプロスポーツで最も稼げるのはプロ野球。(違っていたらすみません。最新情報持ってる方いたら教えて欲しい)
となるとプロ野球に有能な選手や指導者が集まる。
そうするとそこで熾烈な競争が始まる。
その競争を勝ち抜き、かつ勝ち続ける。
このような選手や指導者の数が他のプロスポーツと比べてずば抜けて多い。
野球がプロ化したのが1936年で、その次がサッカーの1993年であるから、歴史も輩出してきた選手や指導者の数も他のプロスポーツと比べて一段も二段も上をいっていることがわかる。
このような競争が激しい競技で生き残るには「持って生まれたもの×競技を学ぶこと×努力」が必要で、言い方を変えると「先天的に持っているもの×後天的に獲得するもの」をどれだけ高められるかということが問われてくる。
野球(やテニス)の本を読む理由
話を元に戻すが、私が野球の本をよく読むのは、先ほど挙げた7つの要素を網羅していることがいちばんの理由である。
加えて、持って生まれたもの(才能)を持っている人が更にその競技を学ぼうとしている元選手や元指導者の人数が他の競技と比べ数段上を行っているし、先ほど挙げた稼げるスポーツのため研究者や専門家が入ってきて細かい研究データなどが出ているのも手に取る理由の大きな一つである。
あとはもしかしたらこれが一番大きいかもしれないが、そういった競争が激しい世界で生き残った日本人選手や指導者の考えを日本語で読める、しかもそれが豊富にあるというのはありがたい。
テニスの場合日本語で読めるものは探せば少なくはないが、日本人が書いた日本語の良書ということでいうとほとんどないし、パデルになると言語関係なくそもそもパデル本がまだまだ少ない。
競技は違えど共通する部分はあり、パデルやテニスに置き換えたら使えそうなものは至るところに落ちている。(ただこの「共通している部分を見つける」とか、「これは置き換えられる」と思えるようになるにはある程度知識が溜まってからでないと難しい)
これは野球の本に限ったことではないが、経済学者の成田悠輔さんが言っていて全く同感だと思ったのは「本のコスパの良さは異常。タイパは悪いが(著者の)経験を買う値段が信じられないくらい安い」と言っていて、私がスポーツの本をよく読むのはこれが大いに影響している。
例えばテニスの場合、グランドスラムの舞台で試合をしたことがある、優勝したことがあるという人はほぼいない。
だがそれを成し遂げた選手が書いた本を読むことで、その選手がした経験や、そのときに考えていたことなどが千円ちょっとで疑似体験できるというのはこれ以上効率のいいことなどないのではないかと思うし、その経験は時間とお金をかけてもできるものでもない。
どんなことを意識したら優勝できたのか、実際にあの舞台に立つとどんな怖さがあり、それをどう乗り越えたのかなどは自分の人生では一生知り得ないことで、それをリビングのソファで寝そべりながらでも知り得るなんて最高の贅沢だと私は思う。
この記事で紹介した本なんてまさに。
こんなことまで考えてやってるのか
これはテニスの勉強を始めた(本を読み始めた)ときに何度も思ったことだ。
「こんなことまで考えてテニスしてる人がいるんだ」と。
これは他競技でもよく感じる。
一度だけボクシングを体験したことがあるが、そのときちょこっとトレーナーに習っただけでも駆け引きのスポーツであることがわかった。
野球の本に話を戻すと、ピッチャー、バッター、キャッチャーの間での駆け引きが凄まじい。
特に類まれな才能を持ち合わせてこなかったけど生き残った選手の思考やそれに伴う駆け引きが凄まじい。(これはテニスでも同様)
そういった選手の本(言葉)は読んでいて鳥肌が立つこともあるし、ときには目に涙が浮かぶこともある。
時々、そんな細かいとこまで?!と思うような言葉に出会うときには一周回って降参の笑顔が出てくる。
一つ例を挙げるとしたら、テニスの元世界ランキング4位でブラッド・ギルバートという選手がいるのだが、その選手が当時No. 1だったボリス・ベッカーっと対戦する際に、「ボリスはバックハンドでパス(パッシングショット)を打つとき、きちんとグリップチェンジができたときはクロスに打つ癖がある」ということを自身の著書で述べていた。
ストロークやレボテで意識したいこと
では最後にパデルのストロークやレボテに活かせるポイントを紹介しよう。
重量のあるものが一度下がってしまった場合、筋力によって引き上げるのは難しい。
しかし、ラケットを加速させるには遠心力が重要になる。
ストロークで良いボールを打ちたいとき、無理に腕力で押し返しても力は伝わらない。
しかし野球のバッティングと同じように、ラケットの遠心力を利用し、自然な軌道でヘッドを加速させることで、効率的に打つことできる。
バッターがバットの重みを利用してバットを走らせるのと同じように、パデルのストロークも「力ではなく、加速の仕組み」で打つことが重要。
まとめ
どのスポーツにも他競技から学べることがある。
特に、競争が激しく研究が進んでいるスポーツの知識は、パデルやテニスにも応用できる部分が驚くほど多い。
今回紹介した内容をヒントに、ぜひ異なる競技の知識を取り入れてみてほしい。
一冊の本からでもプレーが変わるきっかけが見つかるかもしれないし、実際にコートで試してみたい方はぜひ私のレッスンに足を運んでもらえたらと思う。
遠方の方は下記のパデル顧問などを活用してみてほしい。
ではまた。
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