パデルの中でテニス以上に求められるテニスのショットは何か②

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以前「パデルの中でテニス以上に求められるテニスのショットは何か」という記事の中でテニス以上に必要なパデルの技術について書いた。

お時間ある方は先にこちらの記事をご覧ください。

今回は「技術」というよりも「感覚」について考えてみる。(感覚も技術なのだが、分けたほうがわかりやすいと思うので)

多くの方は、技術というと「獲得出来るもの」、感覚というと「生来持っているもの」というイメージがあるのではないか。

書道に置き換えると綺麗な字を書くには「技術」が必要だが、書を芸術にまで高めるには、その人が元々持っている「感覚」みたいなものが必要ということ。(間違っていたらごめんなさい)

もっと平たく言うなら、「センス」と呼ばれるものがあるかないか。

ここでちょっと考えて欲しいのは、自分はどんな人のことを「センスがある」と思い、どんな人のことを「センスがない」と思っているか。

もしくは自分自身のことをセンスがあると思っているか否か。

多くの人は「センス」と「才能」を同義語で捉えているが、指導のプロは一括りにはしない。

「センス(感覚)」は学べる(後天的に獲得出来る)が、才能は持って生まれたもの(先天的に獲得しているもの)で学べない、というのが多くのプロの指導者に共通している認識だ。

多くの人は、

「あの人センスあるから勝てないよ」
「私はセンスないから無理だよ」

こんなふうにふわっとセンス(感覚)のことを捉えていて、「なんだか掴みようのないもの」として自分の中で消化してしまっている。

だからそこから先になかなか進まない。

だがよく分かっている指導者であれば才能とセンスは分けて捉えているため、「あのセンスなら努力すれば獲得出来る」となる。

「教えてもいないのに上手に出来る」
「教えてもいないのに誰も真似が出来ないほど独創的なプレーをする」

こういったプレーヤーのことを「才能がある選手」と呼ぶ。

ちなみにイチローは自分のことを「僕は天才ではない」と言っている。

小さい頃からコツコツと自分なりに考えてやってきたことを積み上げた結果であって、突如降って湧いたように出来たわけではないから」と言っている。

また、天才というのは自分がした天才的なプレーを説明出来ないことが多い。(元巨人の監督など?!)

だがイチローは「自分がなぜヒットを打てるか、なぜホームランが打てるかすべて説明が出来る」とも言っている。

だから天才ではないと言いたいのだと思うが、百歩譲ってイチローの言葉を額面通り受け取ったとしても、それでも「努力し続ける才能」というのは持っているように思う。

話が逸れたが、パデルで必要な感覚とは何か。

私が思うに、

グレイディング(筋力発揮調整力)
ハンドアイコーディネーション(目と手の協調性)
 

この二つの感覚はパデルでは特に必要とされる感覚である。

テニスよりも反応時間が短い中でプレーすることが多く、またテニスよりもイレギュラーな状況の中で返球しなければいけない場面が多いからだ。

この二つはテニスでもよく言われる「タッチ」とも関係している。

「あの人のボレーはタッチがいい」などと言うときに使うあのタッチだ。

これも「学ぶものではなく持って生まれたもの」と捉えている人が多いが、それは間違いである。

タッチは十分学べるものである。

ただストロークやボレーのような技術を覚えるのと同様、タッチも地味な反復練習が必要である。(と同時に遊びのような練習の中から“良い感覚”を覚えるというのも往々にしてある)

こう考えていくと、パデルの場合オンコートでの練習以外にSAQトレーニングやハンドアイコーディネーショントレーニングといったトレーニングに時間を割く必要性が出てくるような気がする。

もちろんテニスでも行われているが、パデルの場合はテニスよりよりいっそう試合の勝敗に直結してくるのではないか。

テニスで培った遺産(感覚)のみでパデルをプレーするのではなく、パデル特有の感覚を獲得しようとする人が一人でも増えることを望む。

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