ジュニア期に考えておくこと

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先週末に千葉県で開催されていたパデルの全日本ジュニア観てきました。

会場にいて感じたこと、会場に来ていた人たちと話していて感じたことなどいくつかありましたが、とりあえずそれらは置いておいて今日はパデルにおけるジュニア期での注意点について考えてみたいと思います。

パデルに限らずテニスや他のスポーツのジュニア期にも当てはまるかと思いますので、ジュニア本人やその親御さん、またその子のコーチなどにも読んでいただけたらと思います。

集大成ではなく通過点

最初にいちばん大切な事をお伝えすると、ジュニア期というのは大人(一般カテゴリ)に移行するまでの準備期間ということ。(ということはジュニアを卒業したときに「プレーを続けるのか辞めるのか」「続けるとしたらどのレベルで続けるのか」ということをある程度考えておきながらジュニア期を過ごす必要があります)

ジュニア期に輝かしい成績を残すことはとても素晴らしいことですが、それは一般カテゴリに移行する「過程」で「ついてくる」ものであって、死に物狂いで狙って手にするものでもありません。(ただ先頭集団の中には紛れている必要はあります)

ジュニア期に結果を追い求め(過ぎ)ることの弊害は以前この記事の中で書きました。

そして以前読んだこの本の中には以下のよう記述もありました。

「テニスのジュニアプレーヤーに対する研究で、ジュニア時代の成功とランキングとプロ転向後の成功にはなんの相関もない」そうです。

この本の中には他にも以下のような記述がありました。

⚫︎どんな分野にもエキスパートがいるが、彼らはひたむきなトレーニングによって脳に(そして能力によっては身体にも)変化が起こり、トレーニングをしなければできなかったことができるようになる。

⚫︎努力し続ければ目標を達成できる、これは間違っている。正しい訓練を、十分な期間にわたって継続することが向上につながる。

⚫︎エキスパートと凡人を隔てる最大の要素は、エキスパートは長年にわたる練習によって脳の神経回路が変わり、極めて精緻な心的イメージが形成されていることで、ずば抜けた記憶、パターン認識、問題解決などそれぞれの専門分野で圧倒的技能を発揮するのに必要な高度な能力が実現する。
あらゆる分野のエキスパートは、その分野における傑出した知識人といっても過言ではない。

⚫︎テニスやゴルフでもきちんとしたフォームを身につけることが優れたパフォーマンスの必須条件であり、最も優れた心的イメージを持っている競技者が他よりも有利になる。
スキルを磨くことが心的イメージを磨き、優れた心的イメージがスキルの向上をさらに後押しする。
新たな能力を身に付ける、あるいは既存の能力に磨きをかけるなど新しいことが出来るように努力するのは、心的イメージを充実させ、鮮明にしていくことでもあり、それによって以前はできなかったことができるようになる。

⚫︎優れた教師に恵まれた生徒は、平凡な教師と練習した生徒よりはるかに早く進歩することが出来る。
近道をした者、比較的わずかな練習でエキスパートレベルに達した天才は一人もいなかった。
平均してみると練習時間が多い者の方が少ない者より大きな成功を収めていた。
バイオリンもダンサーも、練習時間の多い者が地位の面で上位にいた。
一定の能力レベルに到達するのに必要な練習時間は、国が違っても大きな違いは見られない。
最終的な能力レベルを決定する最も重要な要因は、練習に費やした時間の合計。
練習に膨大な時間を費やさずに並外れた能力を身につけられる者は一人もいない。

⚫︎長年の研究を通じて学んだのは、どんな分野においても絶対超えられない能力の限界に到達したという明確なエビデンスが示されるケースは驚くほど稀で、むしろ挑戦者が単に諦め、上達しようと努力するのをやめてしまうケースが多い。

⚫︎あなたは山に登ろうとしている。
どこまで登りたいかはっきりわかっているわけではない。
頂上はあまりに遠い。
だが今いるところよりは高いところに行きたい。
良さそうな道を歩きだし、最善の結果につながることを祈るという手もあるが、それではあまり遠くに行けないかもしれない。
もう一つの選択肢は、すでに頂上に行ったことがあり、最適な道を知っている山岳ガイドに頼ること。
そうすれば最終的にどこまで登ることにするかにかかわらず、確実に一番効率的で効果的な道を進んでいける。

Soon ripe, soon rotten

これは英語の諺で、日本語に訳すと「早く熟れれば、早く腐る」という意味らしく、確かにスポーツ界でもあるあるだなと思います。

ここまで読んでいただいた方の中には「分かったけどじゃあいつ熟れればええねん」「どれくらい熟れればええねん」という疑問が湧き上がった方も少なくないと思います。

「どのレベルでプレーしたいか」「いつまでプレーするか」という問題はなかなか決め難い問題です。

ジュニア卒業と同時に辞めることが決まっているなら、ジュニア時代に結果を残すことが最大の目標なので「ジュニア期に勝てるプレー」が求められます。

ただこのようなプレーは一般カテゴリに入った途端に勝てなくなることは先ほどご紹介した記事の内容の通りです。

これは競技としてプレーしている前提の話になりますが、

「このまま伸び悩んだら辞める」
「今後上手になってきたらそのまま続ける」
「イイ感じになってきたらプロも視野に」

こんな感じで思っているジュニアや親御さんは少なくないと思います。

二番目とか三番目や、先ほどのジュニアで辞めようと思っていた子が、思いのほか結果が出たからやっぱり続けるという場合に出てくるのが、「そんなつもりでいなかったからそんなふうに向き合ってない(教えてない)問題」です。

一般的にジュニア期の多くの選手はイライラする状況、フラストレーションがたまる状況に強くありません。
そしてその(ジュニアがイライラしている)状況を指導者が嫌うと、細かい(けど将来大切な)ことを端折りがちになります。

そうすると「本気でやりたくなったときにトップレベルでプレーするための装備を身につけていない問題」が現れます。

この記事でも書きましたが、そうなってはじめてこう思うわけです。

「あのときちゃんとやって(習って)おけばよかった」


なので私はなるべくその子がいつの日か「本気でやりたい」となったときにも困らないようにしてあげたいという考えがあります。

具体的に言うと「極端に走らない」ということです。

これは私のアカデミーのコンセプトでもあります。

パデルでもテニスでもジュニア期“だけ”有効なショットやプレーというものがあります。

この「極端に走らない」は、去年アルゼンチンに行き向こうのジュニアの各年代の有望な選手を見たり、ここ数年の18歳以下のチャンピオンたちのプレーを見たことでより明確になりました。

2023年4月 コルドバで開催れたアルゼンチンジュニア選手権にて

「○○はすごい得意だけど△△は全然出来ない」なんて素人でも分かるような分かりやすい部分は存在しません。

ここと将来渡り合うのに「最低限の装備」もしていないとしたらその時点で勝負あったです。

なので私は目の前の子が本気になったときに困らないよう指導することを心がけています。

コーチ、親御さんが気をつけること

現在世界ランキング4位のDelfi Breaの父でもあり、コーチのNito Brea氏は以下のように述べています。

コーチには以下のように述べています。

 ほとんどのスポーツでそうであるように、ジュニアレベルで目立った人がプロになったときに、必ずしも最高の選手になれるとは限りません。
その理由はいくつか考えられます。個人的な理由、趣味や興味の変化などもありますが、私が最も興味をそそられる理由は、不十分なトレーニングのせいで、この選手が持ってしまう技術的な制限に関係しています。
このような技術的な制限は、ジュニアからプロへの移行を非常に難しくさせることがあります。

これには、大人のトーナメントになると、子供たちには自分たちの技術をかなり変更しなければならないという問題が出てきます。
彼らは自分たちのゲームに2つ3つの小さなことを加えるだけで最高の選手の中に入ることができると信じてジュニア期を過ごしているので、難しい時期と言えます。
しかし、変更しなければならないことや取り組むべきことがたくさんあることに気づくと、すべてが苦しいものになってしまいます。
若者の学習とトレーニングプログラムを計画するときは、長期的な視点で考えなければなりません。
一般的には、目には見えないけど存在しているものは、将来そのプレーヤーの技術的な限界となる

大人に教えるとき、コーチは交渉することができます。
つまり、生徒の身体的・技術的な限界を出発点として、教師は生徒の本当の限界を見失うことなく、改善すべき要素を分析したり、自分のゲームに取り入れてもらうようにする必要があります。
このようにして、コーチは生徒に足りないもの、生徒が学べるもの、生徒が決して学べないもの、をジャグリングしながら、生徒から可能な限りのものを引き出すことを目標にすることができます。

しかし、私たちが子供たちと一緒に仕事をするとき、私たちは決して交渉しません。
その子が今日できるかもしれないこと、そしてその子が将来的に成長するかもしれない能力を過小評価することなく、そのショットの背後にある戦術と一緒に、正しいテクニックを常に教えなければなりません

レベルを高くして、それを目指すということです。
能力がないように見えても、興味がないように見えても、子供を教えることを決してあきらめてはいけません
失敗を恐れたり、嫌気がさしたりすることで、若者は学習や競争に無関心なフリをしてしまうことがよくあります。
結果がどうであれ、挑戦を受け入れることを学び、失うたびに学び、努力し、改善し、新しいことに挑戦することが大切です。

子供たちが勝つこと、そして良い結果を達成することを通じてモチベーションと自信を見つけることを学ぶことは重要ですが、戦術とテクニックを優先するように作業を計画する必要があると思います。

私たちは成功よりも失敗を通して成長します。
負けることで、選手はまだ改善すべき点がたくさんあることに気づくことができます。

これは、私が子供たちを訓練するときに、勝つためだけに訓練するつもりはないし、彼らがシニアとしてプレーするようになるまで負け犬でいいだろうと言いたいのではありません。
私は選手には勝って欲しいと思っていますが、それは常に正しい方法でです。
彼らがトロフィーを得るためだけにボールをネットに押し込んでも、私は何も得られません。
すぐに結果を出したいという気持ちが、親や子供、コーチに近道を求めるようになるのかもしれません

ただし、この方法でプロセスを急ぐと、以下のすべてが起こります。
ジュニアを適切に訓練するには時間がかかる
魔法の処方とショートカットは通常、短期的な利益、長期的な痛みとして終わります
常に勝ち続けるためには何かを変えなければならないことを子供たちに理解させることは難しい。

問題なのは、彼らが時々勝つということです。
それは、彼らが上手にプレーするからではなく、単に対戦相手がそれほど良くないからです。
彼らは比較的良いショットを持っているかもしれません。
素人の目には、そのショットでポイントを獲得した場合、それはうまくプレーされたように見えるし実際そうかもしれません。
しかし、ショットが良くない場合、その成功は他のプレーヤー(対戦相手)の手にかかっています。

2021年11月 カタールで開催されたWORLD PADEL CHAMPIONSHIPにてNito brea氏と

そして親御さんには以下のように述べています。

親のそのスポーツに関するある技術に対しての過小評価と、最初から適切な技術訓練を受けることの重要性についての無知は、子供たちが最初から正しく技術を取り入れられないという状況につながっています。
子供たちが悪い習慣を取り入れ、最初から悪い技術を強化している場合は、後でこれらのそれらを取り除くことは非常に困難になります。


親が子供を通わせる学校の選択は非常に重要です。

最後に各国の協会に対して以下のように述べています。

パデルの成功(成長)により、このスポーツは指導者を育成するための協会の仕事が追い付いていません。
これは、多くのクラブが出来るのと反比例して、訓練を受けた指導者の不足につながっています。

スポーツにおけるジュニア期について学びたい方は以下の本がおすすめです。
古い本ですが有用な内容です。

普段私とお会いする方でしたらお貸ししますのでおっしゃってください。

共に学んでいきましょう。

ではまた。

★オンラインでパデルを学びたい方
https://www.youtube.com/@japanpadelacademy

★オンコートでパデルを学びたい方
プライベートレッスン

★通常レッスンにご参加されたい方
キャプテン翼パデル
パデル&フットサル晴れのち晴れ

★パデルの悩みや不安を解消したい方
パデル顧問

普段私が使用しているインソール↓

このカーボンインソールを使用させていただいてから今年で5年目になりますが、日を追うごとに安心感が増しています。

他社のインソールからBMZさんのインソールに変えた直後は少し「物足りない」と感じるかもしれませんが、次第に安心感に変わるので是非一度試していただければと思います。(※物足りないと感じるのはBMZさんのインソールが土踏まずをサポートすることを第一に考えていないからです)

簡単に説明すると、足(裏)を正常に機能させるには足のドームが作られていることが重要で、そのためには3つのアーチ(横アーチ・内側縦アーチ・外側縦アーチ)がつながっている必要があって、立方骨を支えるとイイ感じになるそうです。
#最後が雑

よくある「土踏まずのサポート」がメインのインソールだと、内側アーチのみが作られ、それだと「安定はするけど動きにくい」となり、BMZさんのインソールを使うとこの「安定性と運動性」の両方を得ることができます。詳しくはこちら→BMZ

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